第26話 バイキング

 

 そしてお金を払って中に入ると、店員さんから説明をされる。料理は取ることもできるし、頼むこともできるらしい。さらに飲み物も自由に取れる。

 そして、時間制限は二時間だそうだ。かなりの時間があるな。


「じゃあ、早速取りに行こ―!!!」


 そう秋根が言って俺たちは取りに行く。まずはパスタだ。確か、こういうところは麺類はコスパが悪いと聴いたことがあるが、少しくらいならいいだろう。だが、それ以外はコスパなどを考えて取る。

 そして、一通り撮り回った結果、皿の上には大量の料理が乗ることとなった。

 普通にこれだけで一人前くらいありそうだ。欲望が暴走した結果だな。

 そして秋根の更にも同じくらいの量の料理が置いてある。俺の皿の上は主にパスタ以外は主に肉に包まれている一方、秋根の皿はパスタチャーハン焼きそばグラタンと、かなり麺類や、コメ類に包まれている、全くの間反対だ。

 俺もこれが本当の最高率の取り方なのかは知らないが、肉系は単価が高いものが多いはずだ。



 そして二人で席につく。


「じゃあ、食べよう!」

「そうだな」


 そして俺たちは食べ始める。もぐもぐ無言で食べること 二十五分、俺は第一陣を食べ終わった。その一方で、秋根の皿にはまだグラタンのスプーン三回分程度残っている。

 そして、俺が料理を取りに行こうとすると、


「待って! 一緒に取りに行きたい」


 と言ってきた。


「別に一緒に撮りに行かなくてもいいだろ」


 そう言って再び立ち上がると、


「後生のお願いなのです」


 なのです口調で言ってきた。……仕方がない、待ってやるか。


 そしてほんの三分後、秋根も食べ終わり二人で撮りに行く。そして俺は再び肉類を取りに行く。


「遊星くん、肉しかとらないの?」

「ああ」

「せっかくだからチャーハンとかグラタンとか焼きそばとかも取ったら? 美味しいよ」

「……そう言われると決意が鈍る」

「じゃあチャーハン決定ね」


 そして秋根は無断で俺の皿にチャーハンをのせてきた。


「おい!」


 と言ってる間に、パスタもかなり載せている。


「これ、コスパ悪いだろ」

「え、でも楽しい方がいいでしょ。どうせいくら食べても値段は変わらないんだから」

「……まあそうだな」


 そして俺の第二弾はかなり麺類やコメ類に圧迫される運びとなった。しかし、本当に何でもあるな、このバイキング。


 そして、俺たちはパスタを二人ですする。


「まあ、これら美味しいな」

「うん。やっぱりバイキングは洋食だね」

「ああ」


 そして二色目を食べる。まずいな、お腹がだいぶ膨れてきた。

 しかし、まだ食べたいものがある。


「秋根」

「何?」

「ちょっとだけ食休憩するか」

「え? 遊星くんもうおなか一杯になったのですか?」

「うるせえ、別にいいだろ。だったら一人で食べ続けろよ」

「それは嫌なのです。だって、遊星くんと食べたいし」


 なんだよ。そっちもかよ。

 そして、俺たちは椅子に座ったまま、互いにラノベの展開について話し合う。異世界もので、異世界転移した主人公がその国の軍師として戦う話だ。秋根はその中の不可解なシーンが気になったらしい。


「これって、やっぱりこのキャラ裏切るのかな?」


 そのキャラは、巨乳の戦闘キャラで、剣の腕なら国の中でトップ三には入る。


「このキャラ、怪しいんだよね。てかもうそのにおわせがひどいし」


 確かに、実際謎の人物と会話しているシーンや、にやりと不気味に笑うシーンが入っているなど、もう作者がそうしようとしか思ってないようなシーンが多いのだ。


「これ、やっぱりそうだよね」

「ああ」


 確かにそうとしか考えられない。


 そしてそんなことを話していると、お腹がすいてきたので、秋根に「そろそろ行くか」と言って再び料理をかき集めに行く。


 そして、一時間後、ようやくお腹がいっぱいになった。いや、お腹いっぱいになりすぎたというべきか。

 ちょうどいいくらいを腹八分目とすると、今の俺は腹一二分目、いや一三分目と言うべきか。


「……秋根。ご馳走様」

「うんうん。ご馳走様なのです」

「おなか一杯過ぎて幸せだ」

「普段こんないっぱい食べることないもんね」

「そうだな。幸せだ」


 そして会計を澄まし、二人で手を繫ぎながら帰る。

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