第4話
ここまで、一通り経緯をだらだらと語ってしまいましたが、そろそろ飽きはじめたころかもしれませんね。
私と彼の関係性は分かっていただけたと思います。
では、なぜわたしが彼を殺したのか。
それを続けて話していきますね。
わたしと兄には共通の知り合いがいました。
兄と彼は親友や相棒というより、表裏一体と表現するのがぴったりと、はまっている気がします。
彼を含めた3人で時折ドライブだの温泉だの家で語らうなど、楽しい時間を過ごしました。
そんな楽しい空気をめちゃくちゃにしたのは彼の些細な一言でした。
「この前お前らの父親から聞いたけど、
兄妹じゃないらしいな」
息を飲みました。
私の母親は当時、
3歳の時に父親と離婚していなくなったため、顔や声何もかも記憶として覚えていません。
唯一母として認識できたのは、父親が残したアルバムにうつる母親の姿です。
どういう経緯で離婚したのかは何も聞かされてませんでしたが、彼が聞いたのはどうやら母親だった者の浮気が原因とのことでした。
つまり、私は母親と浮気相手との間で生まれた子。今ある家族は誰一人として家族じゃないということ、あなたが私の兄じゃなかったということ。
そういうことでした。
どういうこと。???????????
頭じゃ理解しているのに、理解できない状態です。きっと心が追いついていないのでしょう。
気持ち悪い。
そう思いました。そして、揺るがない事実が、虚実となりフィクションとなり、現実となり私の元にかえってきました。
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