第3話

「だいすきだよ。愛してる」貴方は私に向けてそういいました。

向けられる好意に疎い私にとって、どのように反応すべきものか、どう言葉を返すべきなのか、未知の領域でした。


お互い好きなもの同士であれば、お付き合いするのが一般的なのかもしれません。


しかし、それはできません。

わたしがあなたを好きじゃないとかそんなしょうもない理由ではありません、決して。


何故か、私たちは兄妹だったからです。


国が決めた法律の上で私たちの関係性は裁かれます。


そして私も、あなたを恋人や異性といった恋だの愛だのの感情を心内にひめたことは一切なく、生まれてあなたを兄として認識したその時から、たった1人の私の兄妹であり、兄であり、家族でした。

それは揺るがない事実であり、ノンフィクションであり、わたしが貴方からの好意から目を背けるための偶像にすぎないのです。


溺愛という愛の形は決して兄妹愛という枠組みからはみ出すことなく、これからも今からも、変わることはないのです。

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