第2話

溺愛。

世間一般的に貴方が私に向ける感情は、溺愛という詞がいちばん相応しい表現だと思います。


愛されるということ。


人からの愛というものに疎い私にとって、貴方から向けられる愛は、とても受けとりきれるようなものではないですが、決して無下にできるようなものでもないのです。


幼くして母を失った私にとって、幼い時からともに過ごしてきた貴方との時間は、父親以上に大きい存在となっています。


時間が信頼に値し、信用に至るまでそう長い時間がかからなかったのは、きっと貴方があなたでわたしが貴方で、あなたが私だったから。そんな風に思ってしまうのは、私だけなのかもしれません。そう思いたいだけ、そうだとも感じます。

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