47. 追跡開始

 3日後、私はクラウピアから数体の機械兵を連れて来た。

 どれも特殊な機材を積んだ特別な機械兵らしい。

 マーシャルワンが用意してくれたってことは、今回の調査に必要な機械兵なんだろう。

 あとは彼らに任せれば大丈夫かな。


『ルリ、随分とごついやつらを連れて来たな』


「だよね。あの機械兵のことって知ってる?」


『型番までは俺も知らないが、特殊機材を満載した機械兵だってことは知っている。あいつらはドクターワンの直轄なんだよ』


 機械兵にも誰かの直轄とかがあるんだ。

 彼らの準備を終えたあと、私は遺跡内部の柱へと案内した。

 そこで透過測定機とかを使っていろいろと調べてくれている。

 ただ、なにを調べているかまでは私にはわからないんだよね。

 本当になにを調べているんだろう?


『ルリ様。測定結果が出ました』


「え? もう?」


『はい。岩の下敷きになっていますが、なにか重たい物が地面を這いずったあとがあります。まずはこの痕跡をたどることにしましょう』


「岩の下……それって残るものなんですか?」


『かなり執拗に何回も来ていたようです。その部分だけ周囲の地面よりくぼんでいました』


 私にはさっぱりわからないけど、そういうことらしい。

 ともかく、這いずった痕跡はエッセンスの街と反対方向へと続いているらしいので、それを追っかけていくことにする。

 さすがに何千年も前の痕跡なので私の目ではわからないんだけど、この機械兵たちには見えているらしい。

 的確に進路を変えながら山の中を奥へ奥へと進んでいく。

 正直に言うと、ここまで迷いなく進むのはちょっと不安でもあるんだけどね。


 数時間ほど山の奥へと進むと、切り立った崖に出くわした。

 崖の幅がかなり広く、そこも深い。

 ちょっとワイヤーも届きそうにないし、崖を一回降りてもう一度登ってくるのもつらそうだ。

 私が同行できるのはここまでかな。


『わかりました。あとは私たちが引き受けます。ルリ様はキャンプ地に戻り調査結果をお待ちください』


「わかりました。でも、本当に大丈夫ですか?」


『念のため、逃げることに特化した装備を持ってきています。よほど巨大な竜にでも遭遇しない限り逃げ出してみせます』


 巨大な竜か、そんな存在がいる可能性も否定できないってことだよね。

 とにかく、あとの探索は彼らに任せよう。

 私は一度キャンプに戻りドクタースリーと今後についての打ち合わせだ。

 やることが無いように見えて結構ある。

 ……でも、戦闘になったらどうしようかな。

 ワイルドアンクレットはそんなに武装してないんだよね……。

 本当にどうしよう?

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