第68話
『特殊な弾丸の訓練用の弾丸なんてあるんですね。通常の検索では出てきませんでしたが、少し条件を細かく入力したら、発見できました。ですが、このタイプの訓練用の弾丸は、取り寄せになるので場所によっては高くなるようですね』
この街でも、特殊な弾丸である貫通弾と発火弾は使われるが、ほとんどの人がリピーターであり、初心者が使うことはほとんどない。
この弾丸を撃つには特殊なカスタムが必要なので、それをするくらいなら強化弾のほうが初心者には向いている。カスタムの代金も考えないといけないので、初心者が使うことがほとんどない弾のようだ。
だから、訓練用の弾丸は使われることがなく、店に置いておいても売れないため、この街では訓練用の弾丸を売っている店がなかった。そのため、ナビィが調べることが出来なかったと言っていた。
この街を中心に調べていたのだから、見つけられなくても当然だよな。そもそもの話、知らないことを見つけられるナビィの検索力がおかしいのであって、俺が同じ機能を持っていても十全に活かすことはできなかっただろう。
訓練用の弾丸なんて使う人がいなかったが、ここに現れたのがその弾丸を撃てる特殊な銃を入手した俺。
訓練用の弾丸の料金はもらっていたが、いらないと押し付けられたもので、倉庫に眠っていた奴を、俺たちに体よく押し付けたというところだな。
こちらとしては、練習用の弾が無料で手に入ったのは大きい。
ブローカーは、本来こういうことはしないのだが、手元に残った物を売ることはある。だけど、ここで俺からもお金を取ると、二重に料金を支払わせたといったような問題が出てしまうらしい。
これが中古屋のような場所であれば、特に問題にはならないのだが、ブローカーの場合は何やらややこしい縛りがあるようだ。
「練習用の弾をもらってうれしいけど、1発40gほどある弾丸が1000発もあると、40kg……持ち運ぶのに不便な重さではあるな。ここに今日購入した分の1300発分に近い重さも加わるから、90kgを越してくるな」
今日は大量に購入したが、持ち帰ることを考えておらず、お店で用意してくれたケースに入れてもらい、自分で運ぶことになった。
お姉さんは気付いていなかったが、店主のおじさんは、俺の装備がアーマーだけでなく、強化外骨格を下に着こんでいると分かっていたのだろう。
FLARー11のカスタムの内容もすぐにあてたし、目利きがすごい人なんだな。俺が買った中古品の詳細も、自分の知識で補完して説明してくれたしな。
もしかして店主のおっちゃんが、このアーマーや強化外骨格の改造をしてくれたのか? 今度ギルドマスターに聞いてみるか。
『練習用の銃弾が手に入ったので、明日は街の外へ出て色々なものをターゲットにして、射撃訓練をしてみませんか?』
それを聞いたリュウはノリノリなので、明日は射撃訓練に決まった。
「街の外で弾を撃つなら、一応ハンターギルドで確認したほうがいいんじゃないか? 訓練で撃ってても、自分たちが撃たれたと判断して、反撃してくる奴らがいるかもしれないぞ」
『そうですね……調べてみたところ、野外の場合は専用のフィールドがあるそうですが、詳細については調べられないので、細かな決まりまでは調べられません。ローカルルールみたいなものがあるのでしょうか?』
ナビィが詳細を調べられないってことは、正式に決定したものではなく、流れで決定したりして、詳細を詰めていないルールかもしれないな。
ネットにアップされていなければ、ナビィには調べられないからな。
次の日、確認を取るためにハンターギルドへ向かった。
「すいません。街の外で射撃訓練をしたいのですが、何か決まりのようなものはあるでしょうか?」
「射撃訓練ですね。少々お待ちください」
そういって、何やら作業を始めた。1分もしないうちに、
「お待たせしました。街の外での射撃訓練についてですね。この街には、明確な街の外での射撃訓練場所はありませんが、訓練をする際には指定のエリアで行うように喚起しています」
そういって、地図が表示されたタブレットを見せてくれた。
街の門から出て、右手に500mほど進んだところに、軍の待機施設がありここで訓練している軍人たちに見える位置で、射撃訓練をするようにだってさ。
軍の施設の近くなので、きちんと軍に申し出てから射撃訓練をするようにとのことだ。
軍の施設の近くなので、自分が狙われた! と思って反撃してくるような奴はいない。そもそも、軍の施設の近くなので人が寄り付かないため、射撃訓練をするには、ちょうどいい場所らしい。
受付の人にお礼を言って、すぐに門の外へ向かう。
外に向かう途中で、朝食のサンドイッチを購入し、昼食も向こうで取ることになると考えたので、冷めてても食べれる物をチョイスして購入した。
朝食のサンドイッチは、よく購入する場所なので、店員のおばちゃんにも顔を覚えられているくらいには、馴染みの店になっている。
そのおばちゃんから、これからも購入するようなら、弁当箱のようなものを購入することを勧められた。
本人たちもよく分かっていないが、そのケースに食材を入れておくと、腐りにくくなるというものだ。
夏場などは腐りやすいので、そのケースに露店で買ったものを入れている人たちが多く、それが出回り始めてからは、お腹を壊す人が減ったんだとか。
ナビィの調べでも、実際に急患の件数が減っており浸透した今では、食中毒で運ばれてくる急患はほとんどいなくなったようだ。
缶詰のように缶でなくとも、2~3日であれば保存が可能なケースが存在しているのか。これは知らなかった。
便利なので購入しておきたいところだな。大きさにや値段によっては、探索に持っていくことになるかもしれないから、しっかりとサイズなんかを調べてみるか。
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