第63話

 俺には関係ない大人の話をしているので、先に帰っても問題ないか確認する。


「おっと、すまないね。今回の任務の報酬は上乗せされて払われる上に、特別報酬もあるから期待しておいてくれ」


 ナビィの仲介があれば、ギルドマスターとリーダーの話を理解することはできるが、さらっと聞いた限りでは俺に価値があるような話ではないので、この場から去る決断をする。


 リーダーは念のために俺から強化弾を通常の倍の値段で買い取っていたが、それも経費で落ちるように交渉していたりもしていたな。


 誰の懐も痛まない、いい解決策だと思う。


 クソガキのいた、何とかというグループがこの先どうなろうと、俺には関係ない……が! 理不尽な言いがかりをつけてくる可能性もある。それを考えると、ナビィに監視だけはお願いしておく。



 部屋から退却した俺は、いつもの道を通ってシルバーブレッドへ向かう。


 使った弾の補充だ。


 いつものようにカウンターにいたお姉さんに銃弾を頼むと、


「えっ? 強化弾を60発以上使ったの?」


 今回のことは特に口止めもされなかったので、一応秘密ですよと一声かけて、今日あった話をする。その際に倍の値段で売ってしまったことも併せて伝える。


「あ~そんなことは気にしなくていいわ。現場で銃弾の売り買いなんてざらにあることだし、私たちブローカーがその場にいないのだから、文句を言うことさえできないわ。


 大規模な討伐戦となれば話は変わるけどね。馬鹿なブローカーによっては、銃弾を売り渡すことも怒る奴がいるけど、気にする必要はないから」


 ブローカーの中にも、頭が悪い奴はいるんだな。


 そういうやつは、街を転々と移動しながら商売をしているやつらに多いようで、流れの商人には気を付けるようにだってさ。


 不良品をつかまされたりするから、注意をしたほうがいいみたいだ。


 ついでに、腕を守る装備について聞いてみたが、この店のマスターも聞いたことがないみたいだな。


 明日は、ちょっとブラックマーケットにでも足を運んでみよう。


 家に着くころには21時を回っており、帰り道にある食堂で持ち帰りの弁当を購入し帰宅している。


 腹を満たした俺は、眠くなる前にお風呂へ入ってから、ベッドへ直行する形となった。




 次の日は、午前中に座学をして、午後はいつも通り射撃訓練を行う。そのギルドの帰り道で、使用した弾丸を補充し、その後で4のつく日である今日は、中古市を除いていくことにした。


 ブラックマーケットも検討はしてみたが、せめてまともに見える装備を身に着けていかなければ、入れないのでしばらく選択肢には入れられないな。



 街の門に近い位置にひらけた広場があり、そこで中古市は開催されている。どの街でも、街の中心地へ入れたがらないので、似たり寄ったりの場所で開催されているらしい。


 中古市というから、戦闘に使うものが多くあると思ったら、そうでもなかった。


 家電もあれば、家具もおいている。服や靴などもあり、様々で多種多様の商品が並んでいた。


 ハンターは多くなく、大半はこの街の一般市民……と呼んでいいのかわからないが、住人がほとんどだ。


 だがその一角に、物々しい雰囲気のするエリアがあった。


 言わずもがな、武器などを売っているため、厳重な警備がなされている場所……俺の目的地だ。


 ここに集められていたから、ハンターの姿を見なかったんだろうな。


 俺たちの目的は、ちょうどよさそうな腕を守るための装備だ。


 正規店にはまず売っていないので、特注した装備を売ったりしたものや、試作したが需要がなく処分するために、中古市に流されてきた物を俺たちは狙っている。


 正規店では見れない、カスタマイズされている重火器が多くある。買った後のカスタマイズは自由だが、カスタマイズをした時点でサポートの範囲外になるため、壊れても買い替えるしかなくなる。


 そのために、各お店が独自にカスタマイズできるシステムもあり、そちらを利用した場合は、修理をしてもらえたりするようだ。


 勝手に改造して、壊れたから直せって言われても困るよな。


 その中で、俺は面白い物を発見する。


「ナビィ、あれって、俺たちが使っているFLARー11じゃないか?」


 外見はだいぶ変わっているが、俺たちの使っている銃と同じモデルで、独自にカスタマイズされたものだ。


『確かに同じものですが、大分改造されているので、同じというには語弊があります。汎用性の高い銃をカスタマイズして、取柄である汎用性が失われています』


 ダメじゃん! 予備として使えるなら、壊れたりして買い替える間でも持っておこうかと思ったのだが、汎用性がないんじゃどうにもならんな。


『汎用性を失った代わりにつけられた機能は……拡張マガジン? これですと一体型になっており、撃ちきった後に入れ替えることが出来ませんね』


 ならどうやって弾を補充するのかと思ったら、専用の銃弾を入れる場所があり、そこに押し込むことで補充できる仕組みだそうだ。


 例えは悪いが、ガトリングガンの背負っている弾倉が、銃と一体化している感じだろう。中に入れられる銃弾の数も900発と、通常の30倍も弾が入るようだ。


 なんで一体化にしたかは分からないが、30倍の弾倉がくっついているなら、利用価値は高いのではないだろうか?


 FLARー11はそこまで大きな銃ではない。2丁持ったところで、銃弾を900発持つよりは圧倒的に軽く済む。


 銃身は1本だが、特殊な強化がされており、エネルギーパックを装備することで、900発を撃ち続けても銃身が焼き付くことはないらしい。


 それだけを聞けば、かなりお買い得な銃だと思うが……



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