第62話
「ギルド職員の人、今回は何人出てきてるんだ?」
ドッカンドッカン爆発音がしているほうを見ながら、ギルド職員に声をかけている。俺もこちらにモンスターが来ないか警戒しているが、今のところ領域から出てきた姿は確認できていない。
「今回は3人全員出てきています。お互いに干渉しないように距離を話しているので、フレンドリーファイアはないと思いますが、元の性格があれですので、周りを巻き込んでも気にすることなんてありませんから……」
尻すぼみで声が小さくなっている。
「3人とも出てきてたのか。それなら気まずいのも分かりますね。あいつは何人出てきてるんだ?」
ドッカンドッカン爆発音がしているほうを見ながら、ギルド職員に声をかけている。俺もこちらにモンスターが来ないか警戒しているが、今のところ領域から出てきた姿は確認できていない。
「今回は3人全員出てきています。お互いに干渉しないように距離を話しているので、フレンドリーファイアはないと思いますが、元の性格があれですので、周りを巻き込んでも気にすることなんてありませんから……」
尻すぼみで声が小さくなっている。
「3人とも出てきてたのか。それなら気まずいのも分かりますね。あいつら、周りのことを考えることなんてしないからな……それにしても、全員きてるんだな」
「そうですね。今回は戦闘になる可能性が高かったので、一時的に街の戦力が減っても、街の安全を確保するために全力を尽くす必要がありましたので」
ここで奴隷兵が死んでも、街の安全を守ることが優先か。
「それに、領域守護者は遠くにいるので、波を抑えれば今回は問題ないと思われます。早めに発見してくれた、あなたたちには感謝ですね」
侵攻に使われる可能性のあった通路を発見し、壊せたことに感謝された。
それにしても、体が機械だったとしても、人間が持てる兵器でここまでの衝撃波が起こるもんなのかね……危険な兵器だったりしないよな?
兵器は危険なものだけど、放射能みたいな害をなすものは無いよな。
『放射能汚染をする兵器は、禁止されているので、持っているだけでも死刑になります』
おっと、核兵器所持は死刑まっしぐらなのか。ほしいとも思わないが、汚染系の兵器がないことはいいことだな。
それがなくても、せん滅できる兵器があることが、少し恐ろしくもある。高ランクのハンターたちが使っている武器の中には、衝撃波を起こしたり、超振動で相手を粉砕したりするものがあるようだ。
衝撃波を起こす武器って意味が分からん。相手を吹き飛ばす武器なのかな? 超振動と言えば、漫画やアニメでたまに見かける武器だな。実際に漫画みたいに、粉砕したりするのだろうか?
領域の境界線で行われている規格外の戦闘を見ながら、色々なことを考えていた。
1時間もすると音が止み、戦闘終了の合図が上がった。
本格的な侵攻準備は始まっていなかったが、かなりの数が集まってきてたようで、3人の奴隷兵の内1人が、重症を負ったようだ。
機械の体で重症とは? と思ったが、生命維持機器が破損してしまうことを、全身義体の業界では重症というようだ。重傷でないのは、傷ではないからということらしい。
「想定していた通り、モンスターが領域を抜けることはなかったな。まぁあいつら3人が出て、モンスターが抜けてきていたのであれば、氾濫が起きていただろうな」
自分自身に言っているのか、リーダーが小さな声で呟いていた。
俺たちの任務も終わり、街へ帰還する流れとなった。
ギルドへ到着すると、すぐにリーダーと一緒にギルドマスターに呼ばれ、面談室へ案内される。
「お疲れさん。お前のチームが穴を発見したんだってな。侵攻の出鼻をくじけたから、かなりの時間が稼げただろう。その間に企業が戦力を送り出してくれるだろうから、街の危険は減ったな」
「偶然モンスターをこいつが発見してくれたから、穴を発見することが出来たんだ。感謝ならこいつにしてやれ。索敵機器じゃなく、視認して遠くで何かが動いているのを見つけたからな」
「そうか、君が発見したのか。よくやってくれた」
リュウはいつもと対応が違うことに首をかしげたが、ここは初対面を演じる必要があるので、リュウには引っ込んでもらい、当たり障りなくアルファが対応する。
「ところで、戦力が送られてくるのは分かったけど、ギルドとしては領域をどうするつもりか考えてるのか?」
「ハンターギルドは、街と企業と足並みをそろえて、モンスターの領域を一部刈り取ると考えている。街が危険だと判断して企業に要請したから、今動ける最強戦力が来るらしいぞ」
「今動ける最強となると……超人デスナイトか? 任務に就いたっていう話は聞いていないから、フリーなのはあいつくらいだよな?」
「そうだな。重火器を使わずに剣でモンスターを屠る、超人の中でも変わり者のあいつだろうな。死を運ぶ騎士とはよく言ったもんだな」
俺にはよくわからない話題で盛り上がっているが、分からないところは会話の節々で、説明に近い会話をしてくれるので、何とか把握することが出来ていた。
世間話から始まって、今回の報酬の話になったところで、
「そういえば、お前たちの班にもう1人いたと聞いているが……」
「一緒に仕事をするには、冷静さを欠いていてこちらにも危険が及ぶと判断したから、俺の判断で送り返した」
どういった状況だったのかを説明し、自分の判断が間違っていなかったことを主張している。最後に俺にも話を振られるが、リーダーの話を全面的に肯定する。
「それにしても、あのグループの人間か……面倒な奴らだ。数が多いせいで、実力が伴わない若手が大きな顔をするから、あちこちでトラブルを起こしていて本当に困る」
本当に悩んでいるみたいで、苦い顔をしていた。
「予備の弾を持たず、君の弾を奪うような発言があったのか。企業が戦力を送ってきたら、あの程度のグループはいてもいなくても変わらん。少し痛い目を見てもらおう」
いろんなところでトラブルを起こしていたけど、数が多いからある程度役には立っていたので、処罰するにできなかったみたいだ。
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