第6話
私は刑事の勘で中島が突破口と確信した、しかし普通に聞いたって何もしゃべらないだろうと思った、少し手荒い方法だが刑事課時代に使った脅しでいこうと思った、普通の人が拳銃など振り回してもリアリティーがないが警察官がやれば効果絶大である、私は現在、拳銃所持はできないが、訓練用のモデルガンがある、警察官が所持していれば本物を疑わない、私はモデルガンを腰に差し、ボイスレコーダーをポケットに入れて中山に会いにいった。
中島は店内に1人でいた、ソファーに深々と座りながらテレビを見ていた、髪がリーゼントで頬は少しそげてとがった顎を上に向けながら煙草をくわえていた、ちょっと悪びれてイキがっているように見えた、尋問するには得意なタイプだ、少しワルの方が気兼ねなく責められる、私は友達に話しかけるように「よう、」と声をかけた、中島は顎をしゃくるように振り向くと「なんだてめえー、」とワル特有の反応をした、こういう輩には前置きは不要だ、私はいきなり警察手帳を出した、「なあんだ、察か、俺はなんにもしゃべらないよ、」「わかってる、別に捜査じゃないんだ、ここにいた春男のことを少し聞きたいだけだ、」「春男は私の甥っ子でね、少し気になったことがあったんで、、実は、大山、やつは今、賭博容疑で逮捕されているだろう、彼からある事を聞いてね、どうしても動きたくなったんだ」中島は俯きながら「俺は何も関係ない、ここのことは全部涼子さんだろう、」「彼女は何もしゃべってくれないよ」「だったら俺だってだよ」中島は薄笑いを浮かべて体ごと横を向いてしまった、私は彼の横に座ると右手ですかさず左腕をひねりあげた、「いてえーなにすんだ、」私は彼の腕を折る勢いで力をいれた、合気道の技だ、私は合気道は3段、柔道は2段なのだ、たいていの警察官は柔道が得意だが、私はなぜか合気道のほうが相性がいい、逮捕の時はよく関節技をつかう、逆関節技は逆らうと折れることがある、私は力を少し緩めて「1つだけ教えてほしいと」やさしくいった、「うるせー」中島はワルの維持を見せながら唾を吐いた、私は左手で拳銃を抜いて彼の太ももに押し当てた、「撃ってもいいんだぜ、痛いけど死にはしない、」「撃てるわけねーだろ」「いいや、俺は明日辞めてもいい人間だ、もうすぐ定年でね、いつでも辞表はだせる、撃てるよ」さすがに中島は私の本気度に圧倒されたらしく、「何が聞きてえんだ」とようやく観念した、「春男が死んだとき一緒にいたのは誰なんだ」「大山だ」「いや、お前も一緒にいたのを見たやつがいる」「とにかく関係ねえ、ぜんぶ涼子さんだよ、」私は彼の腕をさらに締め上げ「一緒にいたかいないかを聞いているんだ」彼はうめき声をあげながら首を縦に振った、「いたんだな」かれはうめきながら「うん」と答えた、「じゃあ春男のこと見たんだな」「いや、俺は大山に任せて先に帰ってしまった」
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