第33話 ドキドキ温泉パニック♡後編。
剣を抜いたナルシスを見て大興奮のゴリ達は俺達に向かって一斉に襲いかかって来た!!
「イヤーッッッ!!キャーッッッ!!」
と、悲鳴を上げながら必死にタオルが落ちない様に逃げるアローラとギャル。
「猿ごときに負けはせん!!」と、一瞬で一頭のゴリを切り捨てるナルシス!!
鮮やかに剣が舞うたびに腰に巻いたナルシスのタオルも舞う。
「わ、わわわわわ〜ッッッ!!」と顔を隠しているが、しっかりと指先は開いて興奮するギャル。。。
仲間を切り捨てられたゴリ達はもう収まりそうに無い。
「ウギャッウギャッ!!」と、ゴリ達が大きな石を掴みだした!
タオル一枚であんなの当たったら命に関わるぞ!?
「おい!!アローラ!!!!魔法で何とかしろ!!」
「魔法使ってたらタオルが落ちるよ!!裸で踊れるわけないでしょ!?」
「アバズレのクセにこんな時に清純ぶるな!!!!」
ドゴムッ!!
「だーれが!アバズレだぁぁぁッッッ!!!!」とアローラの鉄拳が俺の顔面にめり込み、吹き出す鼻血と共に放物線を描きながら吹き飛んだ。「もうイヤ…勘弁してくれ…」
目の前でぐるぐる星が周る⭐︎…ガクッ
「何事じゃーッッッ!?」とタオル1枚のトム爺が駆け込んできた!!
「おじいちゃん!?危ないよ!!!!」
ハラリとトム爺のタオルがギャルの目の前で落ちた…
「お、おじいちゃん… え? ……お、お兄ちゃん!?」
「何を未成年に見せてんだァァァ!?
このエロ老人がァァァッッッ!!!!」とアローラの飛び蹴りが今度はトム爺の側頭に直撃!!!!「げふおっ!!」
真っ裸のトム爺が吹っ飛び、気絶しながらゴロリと転がる。年寄りとは思えないギャラ○ティカマグナムの上にさっき巻いていたタオルが、ヒラヒラと舞い落ちた。
俺とナルシスはゴリの攻撃を交わして切り捨てるが、素早くなかなか手強い!!猿とはいえ身長150cmはゆうにあるのだ。
ドスン!!
ヤバイ!!ゴリ達の投石が始まった!!あんなの剣で避けれるもんじゃ無い!!!!
ビューン!ビューン!と巨石が続けて投げられて来る!!
「う、うわわわあーッッッッ!!」
「うそ!?うそ!嘘ーッッッッ!!」
「こ、この攻撃は美しく無い!!」
「こんなのムリっしょ!?」
俺達はただひたすら逃げまくる!
のびてるトム爺はナルシスの背中だ。
ヤバイ!ヤバイ!!ヤバイ!!!!
タオル1枚と剣だけでどこまで乗り切れるか!?
せめて奥にいる羊の様な角が生えているボスゴリを倒せば形勢逆転になるんだけど、距離がありすぎる!!
タオル一枚でパーティ全滅だなんて洒落にもならない!!
逃げるしかない!!
そう思った瞬間、ボスゴリの首元から血しぶきが上がり崩れ落ちた!
ドスーン!!
その崩れ落ちたボスゴリの後ろに誰かが立っている?
その姿にみんなが叫んだ!!
「ニンジャ!!!!!!」
ゴリ達はボスゴリが倒れた為、散り散りに逃げ去っていく。
「サンキューニンジャ!!マジでやばかったよ!!」
「ホント!ニンジャ様々よね?」
「フッ 実に美しい仕事だ!」
「ニンニン最高ー♪」
俺達は歓喜の声をあげニンジャに駆け寄った!
…が。
ん?なんかニンジャの様子が変だぞ?
俺達のタオル一枚の姿を見たニンジャは指先を開けながら顔を手で隠してガタガタ震えたと思ったら頭巾ごしにドクドクと鼻血を吹き出したーッッッッ!?
「だ、大丈夫か!?ニンジャ!!!」
「あちゃー!いつもながらピュアだね〜ニンニン♪」
タオル一枚の俺達に囲まれてニンジャの鼻血は益々流れ出す。
「し、死ぬのでは無いか!?」
うろたえるナルシスに
「バカね!?鼻血で死ぬわけないでしょ!?」とナルシスに向き直るアローラのタオル越しの胸元がニンジャの前に現れると、頭巾越しに鼻血が激しく吹き出した!!
「キャーッッッ!ニンジャーッッッ!!」
崩れ落ち鼻血を吹き出すニンジャをアローラが抱きしめると更に吹き出し痙攣しだした!
「うわっ!!やべえよ!!アローラやめろ!!ニンジャが死んじまう!!」
ワーワーギャーギャー………
しばらく騒ぎが続いた後ようやくニンジャの鼻血も止まり、ニコリと頭巾越しに笑った(様に見える)どうやら落ち着いた様だ。
「ふ〜っ落ち着いたようだな?ニンジャ。
とりあえず、猿達はどっかに行ったし、鼻血でその服も汚れてるし、お前も温泉入れよ?」と温泉を薦めると、ニンジャは立ち上がりアローラの耳元に囁くと親指を立ててニコッと俺達に笑みを見せた(様に見える)
今回の殊勲者は間違い無くニンジャだな。リーダーとして今度一杯奢ってやろう。(誘っても来ないけど…)
ニンジャの言葉を聞いたアローラは恐る恐る通訳を始めた。
「お風呂は一ヶ月前に入ったから、大丈夫でござる。だって…」
全員一斉に叫んだ。
「風呂!!!
入れーッッッッッッ!!!!」
「……入れぇぇぇぇッッッ!!」
「…………れぇぇぇぇ!!!」
「…………れぇぇ………」
「…………ぇぇ………」
ダンジョンに、みんなの声がこだまする………
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