第32話 ドキドキ温泉パニック♡前編。
「ダンジョンだ!」
「冒険だ!!」
「温泉だーっっっ!!!」
どっぽーんっっっ!!
俺とナルシスは大はしゃぎで露天風呂に飛び込んだ!!
***********
『魅惑のチキチキわくわく大レース』の後、チケットをギャルが落とした事にガックリしながらカブを走らせていると、俺たちは13階層の森林で偶然にも露天風呂を発見した。
「うそうそ!?温泉だよーっっ♡♡♡」
と、ギャルとアローラは大はしゃぎ!
「相変わらず13階層は未知の領域じゃな」
そう、トム爺が言う様に13階層から15階層の『クイーン』に行くまでは今までの整地された路面のダンジョンから打って変わって鬱蒼とした森になっている。
まあ、もともとダンジョンテーマパークとして作られているので人が通れる道は確保されてはいるんだけど、木々の成長もあって最早ジャングルなんだよね。
ギルドショップじゃ遭難した冒険者達を救助する案件も貼り出される事もあるんだ。
このままカブで走っていく事は読者諸君の世界で言う林道ツーリングになるんだろうな。
「ねえねえ!リオン!!温泉入ろうよっ!温泉!!♡」とギャルとアローラは温泉に入りたくて仕方ない。
「しょーがねーなあ…」
と呆れてみせる…が。
「入りたくないヤツいるうっ!?入るしかねーよなあっっ!!」
「おおおーっっっ!!」一斉に拳を突き上げるみんな!
ニシシシ♪
実は温泉大好きなんだオレ♡
ダンジョンの本道を外れた森林の中にある天然露天風呂。
泉質は水色の濁り湯で見るからに良さげな温泉だ♪
その泉質にワクワクしながら露天風呂の近くの空き地にカブを停めて、ババッと服を脱ぎ捨て俺たちは早速温泉に飛び込んだ。
おっと!女子もいるからタオルは忘れてないぜ?コンプライアンスは大事だ。
***********
「ふ〜…
生き返るぜ〜…
最高の温泉だ…」
俺は全身脱力の完全リラックスモードで顔の表情もきっと餅のようにとろけてるだろう。こんな顔、アローラに見せれないな…
「ふーっ なんて美しい温泉だ。これ以上俺を美しくしてどうするというのだ?
罪な温泉だな」
ナルシスは顔にタオルを被せて温泉の真ん中に浮かんでる。
ナルシスのマグナムは丸見えだから映像的にはモザイクが掛かっているだろう。
「キャーッッッ♡♡♡
さ、い、こ、うーっ!!!!」
「ヤバヤバヤバスギー!オフロスキーッッッ!!お肌ツルツルになっちゃわない?アロっち〜♡」
と、アローラとギャルもご満悦の声が聞こえて来た。あいつらも楽しんでるようだな♪
この温泉は上から見ると大きな岩が突き出ていて、コの字になっている。その岩を壁替わりに男湯、女湯と分けて入る事にした。何度も言うがコンプライアンスは大事だぜ?
ところでオフロスキーってなんだ?
「ちょっとぉリオン?いくらあたし達がナイスバディだっていっても覗かないでよぉ〜?♡」と岩の向こうからアローラのイタズラっぽい声が聞こえて来る。
「バカ!そんなの見るか!?アバズレには用はねーよ?へへへ♪」
と、笑いながらタオルで顔を拭く。
ドボーンッッッ!!!!
俺の無防備に広げている両足の間に30cm程の岩が投げ込まれ、俺の血が一気に引く。
上を見上げると岩の上からアローラが右手に同じサイズの岩を構えて鬼の形相で睨んでいる!
「うわッ!?やめろ!!死ぬぞ!!」
必死に俺は手を振る。
「チッ」舌打ちをしアローラは岩陰に消えていった。
アイツ…何考えてんだ!?ホンマに怖いわ!!
***********
アローラの狙撃があったが、俺達は良質の温泉にまったりとし、のんびりと時を過ごした。
「トム爺も早く来れば良いのによ?」
とタオルを顔に被せて肩まで浸かった温泉を味わう俺。
「まだ、カブの整備に時間が掛かるのだろう?俺達のレースの後だからな」
「ほんと、トム爺には頭が上がらねーよな?なんだかんだ言っても俺達のケツを持ってくれる。トム爺がいてくれて本当に助かるよ」タオルで顔を拭くと思わず本心が溢れた。
と、その時。
「キャーッッッ!!!!!!」
突如、アローラとギャルの悲鳴が聞こえた!!
「なんだ!?」と腰にタオルを巻いて湯船の近くに置いてある剣を持って女風呂の方に行くと、身長150cmはあろう大型の類人猿ゴリ・ラーコングの群れに囲まれそうになっている!?
アローラとギャルは胸から腰に掛けてタオルを巻いてこっちに駆け寄って来た!
裸を期待していた読者諸君には申し訳ない!!この作品はR18では無いのだ。
「リオン!!あいつらウチの裸を見てくるよー!!」とギャルが抱きついてきた!
タオルを巻いていても感触が俺の胸に伝わる。
「当たってる!当たってるって!!」
「何が?」
「胸が!!」
ズゴーンッッッ!!
「何やってんだ!このエロガッパが!!」とアローラの飛び蹴りが俺の頭に当たりそのまま吹き飛んだ。
「何すんだよ!?俺は何もやってねーよ!!!!」と涙を堪えながら蹴られた頬に手を当て必死に抗議した!!
アローラの飛び蹴りを見たゴリ達は、途端に興奮してこちらを威嚇し始めた!
今にも飛びかかって来そうだ!!
「ウギャッウギャッ!!ウホォォッッッ!!」
「ねえ?ひょっとしたらこの温泉って、もともとゴリ・ラーコング達の温泉だったんじゃ…?」とアローラが呟いた。
「それを俺達が勝手に入ったので怒ったってヤツか?」
「こっちの防具はタオル一枚だけだ!ヤバイぞリオン!!」と、ムキムキな身体つきのナルシスが剣を抜くもんだからゴリ達が更に大興奮!
一斉に襲いかかって来た!!
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