第3話







 私とタレントのそっくりさんの目の前には玉座に腰を下ろしている偉そうな中年の男性と女性、そして〇ルばらと言えばいいのか、中世から近代ヨーロッパの貴族を思わせるコスプレをしているイケメンタレントのような美形が何人かいたの。


 何だ・・・イケメン達はカボチャパンツじゃないのね。


 中世の男性貴族=カボチャパンツという図式があった私は心の中でガッカリしたわ・・・。


「小柄な少女と男装の女、どちらが聖女様なのだ?」


「父上、古来より聖女は黒髪黒目。十代のジョシチュウガクセイかジョシコウセイであると決まっております。よって小柄な少女の方が聖女であり、男装の女は巻き込まれたのでしょう。どう見ても男装の女はニ十歳を超えている嫁き遅れで異世界風に言えばBBAですし」


「陛下、フェリクスの言う通り瘴気を浄化して魔王を倒す事が出来る力を持つ・・・つまり世界を救う聖女は小柄な少女です。男装の女は我等にとって足手纏い以外の何者でもありませんので一刻も早く追い出すとしましょう」



 あの人達が使っている言語は日本語ではないのに何で言っている事が分かるの?


 聖女は女子中学生が女子高生だと決まっている?


 瘴気を浄化?


 魔王を倒す?



 色々聞きたい事はあるけど、私の事を厄介者でしかないと思っている彼等は私の問いに答えてくれないでしょうね。


 というより、有無を言わさず兵士に腕を掴まれた私は玉座の間と思われる部屋から追い出されてしまったの。







 ※この国の食文化はカトリーヌ=ド=メディシスが嫁ぐ前のレベル。つまり手掴みが当たり前。

 夏希が世話になる国は洗練された食文化。ルネサンス期~現代をイメージしてくれたら分かり易いかと思います。






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