第2話 供花 白菊遠征です!!

「白菊。草の都の葉慰宮に行くぞ。」


「仕事~?」


「いや、普通に葉慰宮の宮長に招待された。」

 都を治める堂主である白菊はたびたび他の都の盟主から社交会バカ騒ぎする会の招待を受ける。

「行く~」


「分かった。慈雨、俺たちが離れる間だけ管理を頼む。護衛はいらないから大丈夫だ。」


「わかりました。鋩鉋さん。でも護衛は、、、」


炎龍獅子いろいろやばい人達が護衛につくから大丈夫だ。」


「わかりました。炎の都はお任せください。」


「助かる、白菊出るぞ!!」

「ふぁ~い」


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「しっかし、珍しいですねぇ。鉋さんが招待で出向くなんて。この世の終わりか何かなんでしょうかねぇ。」

 鉋はとてつもなくOFFの時は人見知りなのだ。

「おいまて軻遇突智かぐつちどういう意味だ。」


 軻遇突智かぐつち。供花の一族に忠誠を誓う者たちが集まった近衛部隊の炎流獅子の隊長。火の神の眷属の末裔。霊体一族である。鋩鉋と腐れ縁。紅茶が大好きだけど緑茶は飲めない。


「まぁ鋩が考えることなんて意味がわからないもんねぇ。」

 しみじみとした風に白菊が答える

「白菊、晩御飯抜きにされたいのか?」


「ボクは、食べなくても生きられるから大丈夫だよ。」


「、、、神威を与えられた人達は大変っすねぇ~」

 ため息をつきながら軻遇突智が言った。


 神威しんい。古来帝国に住み着いていた9つの神の力。それら神が死ぬ(もしくは転生する)ときにそれぞれ一つずつ神の力を分け与えられた一族を神威かむいと言う。神威かむいは何も食べなくても生きていられ、人間よりも遥かに長生きすることができる。白菊は炎の神の神威かむいであり鋩鉋は岩の神の神威である。


「軻遇突智だって、食べなくても生きていられるだろ。ボクはどっちかというとキミの方が大変だと思うけどね。」


「私はこれが当たり前なんですよ。生まれた時から霊体ですから。」


「それを言うなら私たちだって生まれつきの神威だよ?」

「でも人間なのは変わりません。私が言いたいのは貴方は周りから理解されがたい者であるということです。」

 軻遇突智は歪んだ顔で話し続ける。

「霊といった人ならざる者がどんなに生きようとも何も周りの者は変わらず接するでしょう。ですが、人間という数十年しか生きないはずの者が何百年生きるというのは周りからすると化物のようなものです。だからあなた方神威が不便していないかと私は心配しているのです。実際化け物と呼ばれているのを私は見ました。」


「「、、、」」

 鋩鉋と白菊は黙っている。

「それが私は悲しいのです。」


「、、、軻遇突智。普段の白菊ではなく冥導堂堂主供花 白菊として言います。」

 その言葉に炎龍獅子に戦慄が走る。なぜならONの時の白菊は裏切り者や気に入らない者はバッサリと切り捨てるタイプだからなのだ。

「その考え方を捨てなさい。貴方が負うべきものではない。別に貴方が犯してしまったことではありません。それに私たち、いえ、少なくとも私はこの神威として産まれた事を後悔してはおりません。あなた方炎流獅子が我が一族に忠誠を誓ったから分かるでしょう。二度とそのことを言わないでください。次、もしさっきの事を言ったら、蒼炎そうえんの棺桶に放り込みます」


 その言葉に周りの者たちが一斉に跪く。


「「「「「御意。」」」」」


「今日は休みなさい。明日朝3時に再出発する。」

「「「「「は!!」」」」」

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 神威しんい神威かむいは違いますからね~。神の力が「しんい」。神の力を与えられたのが「かむい」ですからね~。テストに出ますよ~。

 ちなみに蒼炎の棺桶は霊を払う為の神威です。

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