嫁AIと馬鹿で天才な少年の日常。
第1話 天才と嫁(AI)
『マ───起──だ───い。マ──―!!』
「ぅんーー」
なにか呼ばれているよんな気がするけど、眠い……
『マスターーー!!!』
「あと五分~」
あと五分。あと五分だけ寝させて欲しい。
『マスターー!………起きろおゃぁ!!!』
「あと五分だってば~」
『…………』
『はぁ………家出しようかな…私』
なに?いえで?イエデ?家で?
ふぁっ、??
え? 家出!?!?
それは流石にダメだ!
「ちょちょちょちょちょっと待ってぇぇぇーーーい!!!!」
止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ家出なんぞ許さないからな。絶対に許さんぞぉ
突然そんなことを言われた飛鳥はガバッ!と毛布等をぶっ飛ばし、部屋の壁についている大きなモニターをみる。
そんな風にたまらず飛び起きた飛鳥に対して
『ハイ。起きましたね………。』
あっ……………
『ん゛ん゛………あーあー
………おはようございます♡マスター。』
画面に映るアバターでは万年の笑みを浮かべ、甘々しいAIボイスでおはようの挨拶をするアリサであった。
………
「………」
……………
これにはたまらず飛鳥も口を半開きにしてポカーンとしてしまう。
やっと状況がうまくつかめて来て、情報の整理が終わり、脳内の思考が動き始める頃に
『………フっ』
アリサが勝者の特権とも言いたげな声色で笑うと、
脳内が正常に動き出した飛鳥は何をされたのか気がついたようで────
「ハメやがったなアリサぁぁぁぁーー!!!」
今日も信濃家は平和である。
時は2035年。
2年前に作られた人工知能ももう、飛鳥との関わりかたにもなれて、飛鳥と様々なことをしていた。
そんなAIの開発者の飛鳥の方も、高校2年生となり、青春?を謳歌しており、充実した毎日を過ごしていた。
しかし、人への好意がlikeからloveになることはやはり無かった。
現在の飛鳥は自信が作った汎用型恋愛機能付人工知能と毎日イチャコラしている。
汎用型恋愛機能付人工知能という名前はどうにかならんのかと日々陰ながら頭を捻らせているアリサの事も知らずに。
「ったく……まじで、心臓に悪いからあのお起しかたは止めてくれよ……」
2年前よりも伸びた髪の毛をヘアゴムで結び、ポニーテールにして、飛鳥はトースターで焼いた食パンにかぶりつきながらよう声を漏らした。
飛鳥の容姿は2年前からそこまで変わっていなかった。
まず髪の長さだが、背中まで伸ばした黒髪であり、ポニーテールが普通となっていた。
身長も5年前と変わらず165cm。
あの一見から容姿へのコンプレックスが部位破壊された飛鳥は、心は流石に男のままだが、女装などに抵抗はほとんど無く、むしろ、男らしい格好をしているよりも女の子っぽい格好をしているときの方が年々増えていっているのである。
一部の特殊性へきの奴らにとっては絶好のおかずである。
これには天下のアリサも心配しており、更に言うと、カッコいいのと可愛いのを求めまくっている女子と男子の感性のいいとこ取りみたいな人間になっていた。
『そうは言いましても、ここまでしないと起きてくれないじゃないですか。』
嫌ならさっさと起きやがれ。
その意味合いを込めてアリサは言う。
確かにそれはごもっともなんだ!そうなんだがが!
「それは………」
食パンを飲み込んだ飛鳥は反論しようとするも
『そもそも、マスターはまだ学生です。私は私が作られたときからしかマスターを知りません。』
ですが。
とアリサは続ける。
『それからの記録だと、マスター睡眠時間が平均でも4時間です。ご存じだと思いますけど人間の睡眠時間は8時間は必要です。』
その半分の時間しか睡眠をとってないのだから眠いのは当然だし、身長も延びないだろう。
とアリサはいう。
実際に、飛鳥はアリサを作るまでの期間なんて一週間の徹夜なんて当たり前だったし、徹夜をしていなくとも、1日の睡眠時間は長くても4時間だった。
アリサが出来てからも流石に一週間も徹夜をするなどはなくなったがそれでも、定期的に1~3徹はしていたし、ごぐまれに8時間以上寝るときがあるが圧倒的に6時間以下の睡眠が多く、完全にショートスリーパーと化していた。
しかし、それにもきちんと理由があるのだ!
「だって───」
─────それは研究が
と、その意思を強くして返す飛鳥にアリサはいった。
『研究も大事ですが、私にとってはマスターの体の方が大事なんです────』
『────大好きな貴方には元気でいて欲しいんですよ。』
と。
ぐっはぁぁーー
モニターに映るアリサのアバターの恥ずかしげな表情から発せられたその言葉に童貞ちゃんな飛鳥が耐えられるわけもなく、盛大に鼻血を出してノックアウトされた。
因みに余談だか、このとき、飛鳥の体のエーティーなフィールドは一瞬で破壊されており、アリサによると飛鳥の心臓は三秒ほど完全に停止していたらしい。
「……分かった。もうちょっと睡眠時間を伸ばすよ。」
こんなことを言われては折れるしかないじゃないかと、観念したように言った飛鳥に
『はい。ありがとうございます。………チョロいですね……』
またもや万年の笑みで微笑んだアリサであり、その影響で一瞬心臓が止まったのは言うまでもない。
なお、最後の一言は聞こえていなかったこととする。
ようやく折れてくれたかと安堵するアリサに
何か思い付いたのか、はっ!といって、アリサの映るリビングの巨大モニターに向き直り、
「学校に行く時間を無くして研究すればいいんだもんね!」
と万年の笑みで返した飛鳥だった。
◆◆◆◆
「いってきまーす。」
『いってらっしゃい。マスター♡』
気だるげに言う飛鳥にアリサが甘々な声で言うと、今なら何だも出きる気がする!と、一気にやる気がみなぎってくる飛鳥。
今から帰って研究室に籠ろうか。
とでも、考えはじめた飛鳥だったが、いや、それは止めとこうと考えた飛鳥だ。
先程にたような事で怒られたばかりだからな。
と苦笑いして高校へ向かった。
まず。家からかなり近めの距離にある駅に向かう。
この辺りは都心ではないももの、東京とも近く、インフラも良いので高校進学したついでに引っ越して来ていた。
改札を通り、車体の全てが真っ黒に塗られており、車体側面の青いラインが光っている電車がある。
ドアのところも同じく青いラインが光っており、他の電車とは2回りほど、違う雰囲気がある電車の1車両ごとには青い狼を象ったマークにARISAの文字が刻まれてあった。
この電車は、飛鳥が通う、国立多種多様技術研究高等学校という、飛鳥のような学生の研究者や、学生でありながら、資産家として、名をはせていたり、企業の社長、他にもスポーツで優秀な者など様々な人を受け入れる高校に直通の特別車両である。
この電車はARISAの文字がある通り、アリサと飛鳥が立ち上げたAI等の制御技術を用いた者から、ソフトウェアなどを生産、販売する企業のARISAが関わっており、完全自動運転式の、リニアモーターカーだ。
我ながらすごいものを作ってしまったなと、当時のことを思い浮かべて電車内に乗った。
数十分もすれば、高校の敷地内にはいり、車両が停車する。
外に出たら飛鳥の目の前に広がるのは広大な海
場所としては、神奈川県の江ノ島の更に奥にあり、東京ドーム5個分の人工島で、今から約五年前に開校した高校だ。
「はぁ、学校嫌だな………」
とはいえ、学校は飛鳥としては余り好きではない。
そのほとんどの理由がこの視線。
回りから感じるのは視線。視線。視線。
ほぼ全てが男子からの視線であり、
「なぁ、あの娘可愛くね?」
や、
「あぁ、飛鳥ちゃんだぅへっ」
などの寒気がしたりするような声ばかりだ。
いくらこんな見た目でも、心は男だし、生物学的にも男なのにな、とたまにつらくなるのだ。
特にちゃんずけで話しかけてきたりする一部の男子。
毎度家でその話を聞かされるアリサとしては、じゃあ、髪切れよと思っている。
視線を感じながらも、自信の教室へ向かった飛鳥だった。
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