2.シェルター

「……ってことがあった…!」


深刻そうな顔であかねが言う。


それを聞いたソラは彼女らを連れて外に向かう。

玄関を開け階段へと向かう時、遥か彼方の空に、神殿のような、まるで神様が降りてきたかのような、そんな建造物があるのを見つけた。

あんな所にあるはずの無いものだった。


そら!?はやくシェルター行かないと!」


大声でそう言う葉月はづきに返事して、歩き始める。

エントランスに着くと周りからは子供の泣き声や、聞いた事のあるクラスメイトの声がした。

今まで何度も通っていたエントランスの地下に、こんなに大きなシェルターがあることをほとんどの人は知らないだろう。

シェルターの入口にいる軍服の人に部屋番号の書かれた鍵を受け取ったあかね


「えーっと、五十五……ここを右か。」


シェルターの中は迷路のようになっており、かなり多くの部屋と大量の食料を保管してある倉庫、業務作業員室のみがある。


五十五、と書かれた鍵を使って扉を開くと、座布団ざぶとんが五つ、一つの机が置いていて、机の上にはラジオがある和室のような部屋だった。

「思ってるよりもいい部屋だねー。」

呑気な声で言った葉月はづきに、何だかんだでワクワクしているそらが頷く。

「さーてと、ちょっと電話するね。」

ここで数日は暮らすことを予想しているあかねはひとまず、両親に安否を確認する。

それを見た葉月はづきそらも同じく確認をする。


丁度、三人の電話が終わったところだった。

机の上にあるラジオから、女性の声が聞こえる。


「…………こちら、惑星保護団体わくせいほごだんたい、及び地球外生命体対策組織ちきゅうがいせいめいたいたいさくそしきの東京支部です。

現在、日本人口全員の安全が確認できましたので、順を追って説明いたします。」


三人が息をのみ、静かに聞く。あかねが胸元のポケットからメモを取り出した時、ラジオからまた、同じ声が聞こえる。


「今朝、日本国九州地方の上空1500メートル付近に神殿らしき構造物を確認しました。

調査の結果、それが地球外生命体の本拠地であることが判明、現在和解を行っているところです。

この未確認飛行物体の名をFOエフオーとします。

FOについて分かっていることがほぼ無い為、当分はシェルターでの生活をお願いします。

繰り返します、今朝……」


という内容だった。

それを聞いていたあかねはメモを、そらはスマホでの情報収集を。

葉月はづきは慌てふためいていた。


「ええ!?どゆこと!?」


それを見たメモを取っていた彼女が葉月はづきに言う。

「要は宇宙人が攻めてきたってこと。」

と。

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