第16話 『最終回』
『それは、タイガープー三世です。』
『火星の始祖!』
『まあ、あたりまえの話しでしょうな。』
『タイガープー一族は、伝説と思われています。確かに火星に墓はありますが、中身は別人だろうと、考古学者は考えています。』
『それは、正解。タイガープーは、地球の月に葬られた。月は、わたしにより、はるかな宇宙に放出された。彼女とわたしは、地球人類を救う約束をしたのだ。本来は、そのようなことはしない。わたしが、食べたら終わりだ。あとにも先にも、地球人類には特別待遇をしたのだ。気に入ったからだよ。シューベルトさんや、ベートーヴェンさんなど、よく聴いています。あなたは、名誉なことに同じ名前をもつ。だから、地球人類も、あなたも、いまだに、生かしている。わたしは、太陽系の惑星や衛星を順次食べてゆく。わたしが生きるためには必要なのだから。全部食べたら、最後に太陽をいただく。あれは、ちょっと調理が必要なのだ。また、タイガープーさんとは、太陽系の最後を、人類に見せるという約束をしたのだ。ただし、それは、わたしが選んだものだけにはなるがな。シューベルト先生。あなたが、そのひとりだ。あす、あなたには、ここから子供たちに授業していただこう。オンライン授業だな。問題はない。火星政府は、わたしの支配下にある。ただし、火星総督以外は知らないがね。なにを話すかは、あなたに任せますよ。一切、制限無し。あとは、太陽系の最後まで、ここにいてもらう。なに、時間なんて直ぐに経ちますよ。あなたは、太陽系の最後まで、死ぬことはできない。まあ、これ以上の刑罰はないかもしれない。はははははははは。』
モアベスは、姿を消しました。
シューベルト先生は、明日の授業の計画を練ったのです。
おわり
『エウロパのモアベス』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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