第15話 『モアベス』その7
『いずれにしても、シューベルト先生の気持ちは分かるが、なんの意味はない。この太陽系は、やがて、すべて、わたしの食糧になる。なくなれば、また、他の太陽系にゆく。しかし、人類も獲物を、あえて海に放ちて、大量を祈願することもあったと聴きます。いいでしょう。地球はわたしが食べました。皮だけ残してますが。やりかたは、こうです。まず、地球の内部を、ぐりぐりとほじくりだすために、このような回転する刃を作りました。材料は、太陽系内にたくさんあります。』
シューベルト先生の目の前に、ミキサーの中の回転刃みたいなものが現れました。
『これを、まずたたんだ状態で、地球に穴を空け、差し込みます。』
青い地球が現れました。
そこに、静かに刃が入ってゆきます。
『それから、回すためのネジをとりつけ、中の、刃を起こし、こうやって、ぐりぐりとかき回します。刃の構造状、真ん中に尾根ができました。内容物や海、大気などは、軸を通ってエネルギーとして取り出しまして、わたしの食糧となりました。ざっと、5000年分は、あります。以上です。』
シューベルト先生は、自分が想像したとおりのことが、目の前で実行されたのを見たのです。
『それは、犯罪です。』
『たしかに、あなたがたからしたら犯罪かもしれないが、しかし、きちんと、地球の支配者から同意は得ていましたよ。それで、火星地域に移動する技術を差し上げましたし、さまざまな、地球には未知のテクノロジーを差し上げました。その時間も提供しました。地球内部での情報処理や対処のありかたには、口はだしていません。』
『いったい、その、支配者さんとは、どなたなのですか?』
シューベルト先生は、尋ねました。
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