第10話 『モアベス』その2

 エウロパの海はとても深い。


 人類は、まだ海底までは到達できてはいない。


 古くから、生物がいるかもしれないと考えられていたが、その痕跡は確かに見つかったものの、実物はまだ現れていない。 


 目に見える範囲では。


 しかし、ここには、モアベスがいたのである。


 モアベスは、いまのところ、事実上意識だけの存在である。


 しかし、それは、物質を自由自在に扱うことが可能な存在でもあり、あらゆる物質をエネルギーに変えてしまう。


 しかも、モアベスは文化を持っている。


 たとえば、ペットを飼うとか。


 とくに、人類は可愛いのだそうである。


 食べてしまうこともあるが、話し相手にすることもある。


 つまり、エウロパは、モアベスの遊園地みたいなものであった。



       🎠🎡🎢


 

 

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