第5話 『火星』その1
いまの政権が権力を握ったのは、250年ほど前でした。
それまでは、わりに自由な考えができたのですが、いまの火星政府は、『火星至上主義』を掲げていました。
だから、地球はむかしには、青く美しい星だったとか、なぜ、地球が『くるみ』みたいな形になったのか、とか、なぜ、人類が地球を捨てたのか、とかを考えることは、『火星』の平和を脅かす考えだとして、禁止になっていました。
だから、シューベルト先生が子供たちにしたような授業は、火星政府には許せなかったのです。
でも、誰かが告げ口をしなければ、良かったのですが、教頭先生は熱烈な、現火星首相『メッソラ-ナ』さんの(それは、科学的にも歴史的にも正しくない理論で成り立ってはいたのですが。)、信奉者だったのです。
ただ、教頭先生も、あたまから、すぐに通報したわけではなくて、二~三回は、シューベルト先生に、注意を与えてはいました。
シューベルト先生は、おとなしいのですが、わりに、頑固者でもあったわけなのです。
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