第4話 『火星の教室』その4
その時でした。
ダークグレーの制服に、長靴みたいなブーツをはき、巨大な火星カマキリの頭みたいなヘルメットを被った、10人ばかりの人が教室にどかどかと、踏み込んできたのです。
そうして、指揮官らしき人が言いました。
『ペーテル・シューベルトだな。』
シューベルト先生は、いつものように微笑みを浮かべながら言いました。
『はい。そうです。』
『火星反逆罪で逮捕する。』
『なぜですか?』
『子供たちに、よからぬ思想を教えている、現行犯だ。』
彼らの背後からは、教頭先生が、ちょっとだけ、覗き込んでいました。
しかし、優しい校長先生の姿はありません。
『よからぬ、とは?』
『詳しくは本署で聞くから、こい。』
子供たちは、おくちをあんぐりさせて見ています。
『きみたち、なにも、心配はいりません。勉強を続けてください。』
シューベルト先生は、それだけ言って、連れて行かれました。
🚶♂️
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます