第2話 『火星の教室』その2


 『では、マロンくん。手を貸してくださいませんか。』


 シューベルト先生は言いました。


 『え?』


 マロンくんは、ちょっと戸惑いました。


 『このジューサーは、手回しなのです。きみが、回してください。』


 『わ!』


 『まろん、やれよ。』


 『まろんさん、はやく、はやく。』


 教室のみんながはやしました。


 マロンくんは、やや、しかたなさそうに立ち上がり、教壇の先生の横にあるジューサーの前に立ちました。


 すると先生は、ジューサーの下のあたりに収納されていたハンドルを取り出して、本体に取り付けたのです。


 それから、ももを二つ、中にいれて、水筒からお水を足しました。


 『さあ、回してください。』


 マロンくんは、少し顔を赤くしながら、ハンドルを一生懸命回したのです。


     🍹


 

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