『エウロパのモアベス』
やましん(テンパー)
第1話 『火星の教室』その1
シューベルト先生は、持ってきたリュックから、円筒形の機械を取り出しました。
『みなさん。これ、わかりますか?』
『うーん?』
と、うなる子供たちのなかで、マロンが手を上げました。
『はい、マロンくん。』
『ミキサーです。』
『よし、よく知っていた。これは、ミキサーといいます。スムージーを手軽につくれるのです。ジューサーは、水分だけを分離しますが、こちらは、まぜこぜにして作ります。さて、これは、なんですか?』
『ももです。』
みんなが答えました。
『そうです。ももです。元々、地球にあった果物です。しかし、いまは、地球はこんな感じの廃墟ですね。』
シューベルト先生は、くるみの実を取り出しました。
『それは、先日、みんなで望遠鏡を使って見ましたね。』
『はい!』
10人くらいの生徒は、元気よく答えました。
『なぜ、地球に、このくるみみたいな、出っ張りができたのか。まだ、はっきりは判っていません。太陽系には、ほかに、イアペトスという、こんなかんじの星があります。これが、写真です。土星の周りを回っています。地球とおなじなのでしょうか? さて、では、これから、ひとつ、実験をしてみましょう。』
『え〰️〰️〰️☺️』
みんな、びっくりしました。
『地球には、むかし、美しい海がありました。たくさんの生き物が陸にも海にも空にもいました。地球には、豊かな大気があり、みな、呼吸して生きていました。それは、みなさんも同じです。しかし、ぼくたちは、いつからか、火星の回りに沢山の都市をつくっています。地球では、みな、地球の上に生きていました。それは、常識ですね。』
『はい!』
『でも、地球では、ある時から、生き物はいなくなりました。伝説では、わずか5日で地球はこんな姿になったといいます。』
シューベルト先生は、地球の写真を取り上げました。
『でも、ぼくたちは、地球からやって来たのは、間違いがありません。なぜ、地球はこうなったのでしょうか?』
『神様がやったんだ。』
ガキ大将のタムラが言いました。
半分くらいの子供はうなづきました。
『なるほど。では、神様は、どこにいるのですか?』
『宇宙です。』
『たしかに。では、神様は、何をしたのでしょうか? 地球は、もともと、火星みたいに真ん丸でした。なぜ、こんなに、くるみみたいな、出っ張りが出来たのでしょうか?』
『かあさんは、かみさまが、引っ張り上げたって、言います。』
『なるほど。たしかに、引っ張り上げる手はありますね。ほかには?』
『……………』
『引っ張りあげるのではなくて、したから、押し上げる手もありますよ。』
『地球の内部に、ニーベルボッチという、ちてい人がいた。』
ハナミが答えました。
『そう。そういう説もあります。それも、まだ、間違いとは言えません。地球は、じつはたくさんの、プレートという、皮で覆われていたという学説もあります。笑う人もいますが、否定は出来ません。何事も、自分達で、確かめなければ。さて、では、スムージーを作りましょう。』
みんなは、『わー❗』とさわぎました。
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