第2話 想い、思い、重い

 数日前…つまり、モンスターが降り始めてから数日たった時、何の気なしに窓の外を覗いたら、白いワンピースのような服を着た少女が血を流して横たわっていた。飛行能力を持ったモンスターに襲われたのかな?


 と思っていた。


 両親と協力して(運ぶだけなら一人でもできた)家の中に運び、消毒したり傷口をガーゼ等で覆ったりして応急措置をとった(救急車は、モンスターの影響で道路が通れないから呼べない)。


 これで一安心だと皆の心に余裕ができたとき、少女の背中から一対の翼が生えていることに気付いた。さらに、頭の上で輝く輪っかが浮かんでいることにも気付いた。


 モンスターじゃん。


 やべぇ、殺される。


 そう思い身構えたときには既に少女は動き出していた。


 いい走馬灯が見れるといいななどと余計なことを考えたせいでもう少女の手が迫って…来ずに引っ込んでいく。


「…あ…り…が……と…う…」


 拙いけれど正しい日本語で少女が話した。太陽のような笑みで。


「「かわいい」」 両親がいきピッタリに言う。


「どういたしまして。」これが正しい答え方だ。全く、両親にはじょうしきがn…


「…嬉……し…い」


 どうやら少女は『可愛い』の方に反応したらしい。


「住む宛はあるのかい?」


「い…い……え」


「食べ物はあるかい?」


「いい…え」


「もう怪我は無いのかい?」


「…は……い……」


 えっ、もう治ったの⁉️と、3人は驚いた。流石魔物というべきだろうか、自然治癒能力が高い。


「家に住むかい」母が尋ねる


「…っ!…はい!」少女は目を輝かせて、元気に答えた。




 こうして 、モンスターである少女との生活が始まった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る