第四章 乙女は陸で旗を振るう
伝承5
レス島の記録は極めて少ない。
「ある時、東の国から罪人の女性が連行されてきた」
「女性は瞬く間に島の住民から支持され、いつしか『レス島の(欠損)称されるようになった」
「彼女は名をテイテュスと言い、(以下数行欠損)キア侵攻を画策した。だが、それは失敗に終わり、二度目の流罪が言い渡された。場所はナクサス島」
「だが、それでもテイテュスは祖国への恨みを忘れなかった。同じように流罪とされた人々を扇動すると、彼女は大船団を組織した」
「テイテュスはナクサス島を進発し、レス島を攻撃した。そこは彼女が再び流刑に処された後にグラエキアの属領となっていたが、これを解放。この時にテイテュスは自らを『海賊女王』と称し、忠実な女性の部下三〇〇名を筆頭に、大勢力を有したうえでグラエキア本国への侵攻に着手した」
レス島に関する最新の情報は以下の通り。
「(欠損)ア共和国の懐柔策は絶大な効果を挙げた。女王を慕う『女性派』と、常日頃から女王を忌み嫌う『男性派』が対立し、レス島の『男性派』はそのほとんどが共和国側に手を貸した。結果、同島の西に『女性の国』ミュトゥムが、そして東には『男性の国』メートーが建国されることとなった。以降、女王率いるミュトゥム王国は(以下判読不能)」
――『グラエキア周辺の地誌』と『イラクリスとレス島の通史』より
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