第4話

「見よう見まねでやってみたけど、案外上手くいくもんだな」


初日にダンジョンをここまで進めることができたし、もしかして俺才能あるんじゃね!


抜刀。それは鞘の中に刀をしまい、刀を抜く力で相手に攻撃を与え、そこからの太刀捌きでさらに攻撃を与える(ちょっと違うかも)というもの。


「おお、なかなかに大きいサイズの魔石だな。さすがはボスって感じか」


先程までのモンスターと違い、二周りくらい大きい。これは売ったら期待ができそうだ。


「さて、当初の目的通りにボスも倒せたし今日は帰りましょうかね」


俺は帰路を辿るため、ボス部屋から出ていった。




スマホから流れる、イレギュラー発生という警報に気付かずに。







「ん?」


俺は前方で、ゴブリンと戦っている人が見えた。


(うわ、初めて人見た。というか、少し手こずってる?)


俺は一瞬助けようかと思ったが、ガタイのいい男性の言葉を思い出した。


(確か、あの人は他人のモンスターを倒すと面倒って言ってたよな。倒すまで待つか。)


そう思っていたが、戦っていた人が、ゴブリンに吹き飛ばされた。助けよう。多少めんどくさくとも、別にいいか。素材も渡そう。そして俺は声をかけた。








「手助けしましょうか?」


「え?」


何を言っているんだ?私が思ったのはそんな当たり前の疑問。私はたちばな 一華いちか今年の春からダンジョンに潜り、中層まで攻略することのできる自分で言うのもなんだが、天才だと思っていた。


"やばいって!一華死んじまうって!"

"早く探索者連合に通報しろよ!"

"やばいやばいやばい"

'だからイレギュラーはやめとけって言ったのに!"

"!?"

"誰だよ"

"おいおい、まだこの階から逃げてない奴いたのかよ!"


流行りのダンジョン配信でも登録者が50万人を超え、自分が最強になったとも思えた。

しかし今はこのに瀕死にされられている。やばいと思った時、この状況に合わないような軽く聞いてきたのだ。


「というか助けますね。」


彼はそういうと腰に掛けてある刀を抜いた。


「あっあ"あ"、っ!」


やめて、貴方じゃ勝てない。と言おうとしたが、顎が砕けたのか、声が出ない。

そうしている間にモンスターは彼に襲いかかった。


「邪魔くせぇな」

「っ!!?」


"は?"

"嘘だろ"

"加工か?"

"バカか、加工してるとしたらどっからその金は来てんだよ"

"てことはまじ?"


彼は、私が吹き飛ばされた攻撃をいとも簡単そうに止めた。





(女の人だったのか。ん?なんかこの人見たことあるような?)


俺は素早い、ゴブリンの連撃に対処しながら、考えていた。


「さっきのは少し拍子抜けだったんだ、試させて貰うぞ」


俺はまた、身体に雷を纏わせ、抜刀の構えをとった。


「??!」

"えっ?雷?"

"は?自然を操る能力者ってこと?"

"マジ?バカ程レアやん"

"初めて見たし、そもそも嘘だと思ってたわ。"

"さすがに加工だろ、、、、そうだよな?"

"だから、お金の問題的に無理だって"


後ろから驚いたような声が聞こえた気がしたが、きっと勘違いだ。ということにした。そして今回は一撃ではなく連撃で相手を沈める。


相手は、無防備な俺の姿を見て好機と捉えたか、一気に攻めてきた。それに合わせて俺も、


「抜刀!」


閃光が走る。そしてそこには、俺とゴブリンが残した魔石だけが残されていた。


「ふう、やっぱり疲れるな」


"はぁー?"

"疲れるな。じゃないんだがww"

"一華ちゃんも化け物だと思ってたけど、上には上がいるんだなぁ(放心)"

"助かってよかった!!!"

"ありがとう!知らん人"

"これだけ強かったら、調べたら出てきそうだけどな"




「お姉さん魔石入れてるやつとかある?」


少し悲しそうな顔をして、女の人はカバンを指した。どうして悲しそうなんだろう?そして、俺はゴブリンの魔石をそのカバンの中に入れた。


"ああそりゃタダじゃないよな"

"なんで魔石の袋なんだ?"

"そりゃ、助けたお礼的なのよ。探索者同士での助け合いだとこういうのが多い。こういうのでよく揉め事になるから、あんまし助ける人は居ない。"

"まあ、タダで助けてくれる人なんて居ないよな"


「???!」

"へぁ?"

"ファーーwww"

"イレギュラーの魔石入れてますやんww"

"一華ちゃん困惑顔で草www"

"↑草に草生やすな"

"この人カメラあるの気付いてなくね?"

"確かにカメラの方一向に向かんな。"


「あ"ああ」

「ああ喋んなくていいよ。それより、失礼」

「!?」


人の、ましてや女の人の運び方なんて知らない俺はお姫様抱っこのようなものになってしまった。


"はぁ?"

"てめぇ誰に触れてると思ってんだ!"

"でも、こんなイケメンに助けられたら惚れちゃうよな。"

"やめろォ!その術は俺に効く!"

"脳がぁぁぁぁ!"

"うがあああああ!!"

"なんかゴブリンに襲われてる時よりもコメ欄死屍累々で草"

"笑えねぇよォー"




「ん?なんだあれ?」


女の人がチラチラと見ている方へ目を向けると、何かが転がっていた。


「これは、カメラか?」


「これはあなたの?」


聞くと女の人は首を縦に振った。


「もしかして、配信者?」


また女の人は首を振った。


「マジか」


てことは、このお姫様抱っこも見られてるってことか?恥っっっず。




──────────

ここまで見て下さりありがとうございました。

中学生ゆえ、語彙力も経験も全てが乏しいです。

なにか変なところがあればぜひコメントで教えてくれると、とても嬉しいです。


フォローと応援よろしくお願いします。

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