第3話 2度目の転生

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 マイヤーは (鈴木 祐太)と言う平凡な日本人として、平和な令和の時代に時間軸を異として転生していた。

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(((おめでとー!!!)))



 紅白の垂れ幕で覆われた広い部屋の中、大三谷医療専門学校・柔道整復師科の卒業生たちが教官や来賓・家族から祝福を受ける。


 「裕太、よく頑張ったわね!」


 裕太の母が涙ぐみながら、息子の一人立ちを喜んでいる。


 「なに、本当に大変なのはこれからだ。がんばれよ。」


 父が笑顔で激励すると、「今日くらいは勘弁してよ、父さん。」


と裕太が少し赤い目をして苦笑いする。



 そう、今日で学生は卒業。社会人としての生活が、いよいよ始まる。



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 「鈴木~。県内の整形外科に内定もらってるんだって?」


卒業式後の立食パーティーで、同期生の猪貝典弘が酒臭い息を吐きながら肩を抱いてくる。


 「ああ。自宅から通えるし、外傷が沢山診られるっていうから決めたよ。猪貝も整形外科に就職するんだろ?これから色々情報交換しようぜ。」


 「そうだな。多津は茨城の地元に帰って接骨院に修行しに行くって言うし、定期的に集まって情報交換会と行きますか。」


 猪貝はこういう事で幹事に向いており、あとはお任せでお願いして置くに限る。




 来賓や家族は先に帰っており、卒業生たちは2次会に行くものと帰宅するものとに分かれてそれぞれに学校の外に出た。


「これからは、お互い別々の道に行く事になるけど、治療家でも介護のリハビリでも同じ柔道整復師として、頑張ろうね!!」「「「おおー!!」」」


 皆で揃う最後の日、約束を交わして正面口から歩き出した。



     (((まさにその時)))



 学校前の車道で右前輪をバーストさせコントロールを失った2トントラックが裕太目掛けて突っ込んできた。


 裕太が最後に目にしたのは、目を見開き口を絶叫の形にした運転手の中年男性の絶望した顔だった。



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 「嘘だろ!裕太が!裕太が!」


 「救急車!誰か救急車呼んで!!」「しっかり!鈴木君!!」


 「二階に解剖学講師の佐藤ドクターがまだ居るはずだ!呼んでくる!」




   ~急速に暗闇に包まれていく中で、級友達の声が遠ざかっていった~



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ゲルマン神話の主神・オーディンの差し金で、意に染まない転生を押し付けられた。


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