前倒しですわー!

 まったくここまで呑気なアホが蔓延ってるとは思いませんでしたわー!ワタクシが勝確であっても何もしてないあなたたちに恩恵があるわけないではありませんの。


「次、ゾルヘル男爵」

「エリーゼ様、私は……」

「ララに対して支援を行っていたようですわね?第2王子の服飾に関する、聞いた覚えがありませんわ」

「商業活動の一環でして」

「あら?商人に鞍替えしてたんですの?」

「いえ、そんなことは……」

「それで第2王子から大層褒められてたそうですわね」

「え、ええ……」

「北方組合は王太子殿下を支えますとおべっかを使って」

「……」

「あら?どうかしましたかー?北部商人組合非常勤参事?」

「北部商人組合は商業組織です、それに対して……」

「あなた達、誰のお金で仕事やってきたか忘れたんですの?どこぞの平民を囲んでボロ儲けをしたから資金の元手が何だった忘れましたの?そこまで出来ないとは大叔父はとことん使えませんでしたわー!その程度の教育はしておくと思ったんですの、ほら代替わりしたとに伝えたと思いましたわー!資本源も知らなかったことも無能ですわね、さようならですわー」

「一体何の権限があって公爵令嬢であるあなたが!親の威を……」

「資本源は公爵家ではなくワタクシですわよ?だからですわ、はい次」


 マーグに合図を出し処分の合図を出す。資本源である金を返さないことを理由に身ぐるみ剥がしますわー!そもそも爵位すら担保にして金を借りに来た連中が何言ってるのか理解に苦しみますわね?たかだか1年の毛糸製品の利益では返しきれませんわよ?子供に伝えてなかったのかしら。マーグが既に蛮族相手の戦闘経験があるので授業単位の大幅免除をされて助かりましたわね。流石にワタクシ自ら何人も処分するわけにはいきませんもの。毎回着替えるの面倒くさいでしょうし。じゃ、窓から捨てておいてくださいまし、下で雇った蛮族が始末してくれますわー。


「なんでこんなに先が見えてないわけ?この人達」

「わかりませんわね……北部の生活は公爵家の財政で成り立っていたのですが……北方組合関係者がこうも馬鹿げたことをしてくるのはなぜでしょう?ま、どうでもいいですわ、次」


 北方組合関係者と貴族を次々処分しているワタクシ、本当に無実なのが数人ってどういうことですの?なんだかアホらしくなってきましたわー……まぁ全部差し押さえれば…………あれ?これ結構いけますわね……蛮族の領地に対する兵数、差し押さえた領地と動員兵数……よし!


「ゼッツ準男爵?北方組合からずいぶんと支援されていたようですわね」


 1分足らずの会話で処断しましたわー!ほぼテンプレですわー!10人くらい終わったら今日はおしまい


「シャーリーから手紙来てるってさー」

「あら?早いですわね」


 えーと……ふーん、ララ相手には結構買い叩いていたみたいですわね。それでも平均の5倍近い結構な金額で買ってはいますけど。ということは約1年で買った2倍から3倍で売るから……意匠と質がいいものは10倍以上……北方組合一括で購入してることを考えると……公爵家の支援額に近いですわね、つまりこれを入れ公爵家の支援金を懐に入れつつ態度をデカくしていたと、3年後だったら危なかったかもしれませんわね。流石に計算外すぎますわ……ベルク商会の数字だと……あの大叔父懐にいれる金額すら北方組合にピンハネされてましたわね?使えないですわー!単純な商圏開拓だけしておけば問題なかったのにこちらに注力して本来より広がってないし本当に使えませんわー!商圏開拓だけはこの1年一応してたから苦戦してる程度だと思ってましたわー!毛糸製品が商圏開拓の功績で見てましたから1年で大きな商圏拡張は起こり得ないし商業で一発当てる製品は簡単に見つからないと見る目がゆるくなってましたわね。シャーリーもその手のことは苦戦してましたし。そういえば無実のメンツは比較的南のメンバーですわね……まぁ毛糸で利益を上げる手っ取り早い方法が使えないわけですわね、極寒でもないし。


「それではお返事ですわー!」

「なんかあったん?」

「いま司法大臣に提出してる国境への軍移動と買い付けの記録、提出を辞めますわ」

「え、あーし知らないよ、関係ないよ、狂った?」

「不要になりましたわ、適切な買付に移動なら司法大臣のお目溢しの連絡もいらないでしょう?息子が最近第2王子と仲がよろしいとかなんとか……あと狂ってませんわ」

「ふーん、どうもでもいいかな」

「それもそうですわね、さーて、財務大臣はいつまで耐えられるかしら、司法大臣はともかくバカ息子はどれだけ踊ってくれるか楽しみですわー!あと狂ってるのがどうでもいいってことではないですわね?」

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