根回し編ですわー!
怖いですわー!
「それで?一体どうするのですか?」
「静観ですわー」
「はぁ!?」
「ヒッ!いいですこと?婚約破棄自体は問題なく実行するだけですわ。平民の女性と愛称で呼びあい仲睦まじい姿を平気で見せる、ただでさえ落ちていく王家、第2王子の権威は悪化をたどりますわー」
「もう底値でしょうが!」
「ピィッ!」
ブチ切れモードのキャスは怖すぎですわー!これは未来の宰相!エリーゼ帝国も安泰ですわー!
「もう一度聞きます、けじめ、つけるんでしょうね?」
「……静観ですわー」
「ちょっとええか?エリー」
「何でも聞いてくださいまし!」
救いの女神ですわ!さすがシャーリーですわ!助けてくださいまし!
「あのララって平民、エリーが囲ってるんやろ?それ説明したほうがええやろ。あの場ではまだ何もわからんかったけどクラウといっしょに調べたで?もう隠さんでええやん」
「なんのことですの?」
本当に何いいってますの?知りませんわよ、あんな恐ろしい人物。
「説明してください、エリー?」
「ほんま知らん?」
「私の計画にはありませんわよ、あんな危険人物。計画のうちならわからせに行くわけないではありませんの」
「え、じゃあ本当にビビって逃げてきたんっすか?」
「ビビってませんわ」
ちょっと作戦が必要と思っただけですわ、恐怖を感じたわけではありませんわ、私をビビらせたら大したものですわ!
「ウチら調べたけどあれ北方の毛糸用品作ってる大元やで、エリーのとこのお抱えの商会の」
「大叔父の?たしかに毛糸用品は……」
「エリーのとこなんてウチ等が調べてるわけ無いやん、そら洗っても出てこんわ、敵騙すにはまず味方からとは良うやるわと思ったけどマジなん?」
「このメンバーをわざわざ騙しませんわ」
たまに聞かれないから黙ってることはありますけど、面倒くさいわけではありませんわ、本当ですわよ?
「前の冬着てた豪勢なセーターあったやろ、着る人によっては服に着られるみたいなやつ」
「ワタクシにピッタリの服ですわー!」
「あれ作ったんあのララってやつやで、商会の依頼で」
「マジですの?そんな才能あるんですの?才能と人格って比例しませんのね」
ベルク大叔父にはきっちり聞いたほうがいいかしら、援護射撃ならいいけど家での地位を狙うなら北方組合ごと処分する必要がありますわね。
なんだかみんなが冷めた目で見てますわ……手綱くらい握っとけよって感じですわね、申し訳ありませんわー……反省反省。
「まぁ才能と人格が比例しないのはよう知ってるからええわ」
「そうですね」
「才能に合わせて……人格が良くなるわけではないと思う……」
「じゃあ逆側に比例はしてるじゃん(小声)」
「騎士にもそういう奴はいるねー腕は良いけど女癖悪いのとかさー」
「軍にもいるな……使えるからなお困る」
「そういう人間のほうが対応が楽っす!」
今までキャスの怒りに飲まれて発言しなかったのにここぞとばかりにいいますわね……。
「ま、とにかくあれが仕込みでないのはわかったわ。アーデルハイドが関わってると思ったんやけどな」
「流石に把握できませんわね……」
「ではつまり……エリーは無関係でよいのですね?」
「知りませんわー……噂の北方の毛糸芸術家だとは思いませんでしたわ、領内にいないことは知ってましたがこうなるのは想定外ですわね。茶会に招きたいけど第2王子とのこともあるし……去年の毛糸製品の全体量が下がってますし……迂闊に手を出して領内をガタつかせたくないですわー……気が触れていて、妄想癖で心の病よりもひどい状況で世界が自分を中心に回っているどころか回しているほど傲慢で利益を与える、まさか利益を与えていたのが公爵領だとは……久々に強敵ですわね」
燃えてきましたわ!ワタクシともあろう者が……逃げるなどと!あっ、逃げたわけではありませんでしたわ、戦略的撤退ですわ!それ自己紹介?みたいな目で見てますけどおそらく今回の手落ちに対する無言の抗議ですわね、申し訳ありませんわー。
「いや、薄い北方組合のツテで多少聞いたけど真面目で良い子らしいで、10年以上技を磨いてここまで来た努力家らしいし、クラウは?」
「セーターの奪い合いになっても値を吊り上げることなく適正価格で売ってたらしいっすよ、それで北方組合自体が仲介になって買取金額を上げたとか……だから公爵家を敵に回したくなくて誰も手を出さなかったとは聞きましたっす。正直ベルク商会自体に調査の手をいれるのはエリーに喧嘩を売るんでもうベルク商館長本人から聞いてほしいっす」
あら?じゃあ会議の時の想定が違いませんこと?
「みなさま?今の話を受けてララさんの事どう思いますの?」
「それより詳しい話ベルクさんから聞いたほうがええんやばいか?片手落ちやで、キャスも静観でええよな?エリーの実家にて突っ込んで宰相派閥と対決に持っていきたいわけ無いやろ」
「もう実質負けてますからね、父と会って説明した際には狼狽してましたし……エリーから聞いてないので計画と関係ないと思いましたし……てっきりバカ王子のただの乱心かと」
「ここ数年乱心しっぱらしですわー」
「あははははは!」
ジーナが爆笑してますわ!ここまでジーナの感情を揺さぶるとは……恐るべし……えーと……王子の方かしら?じゃあ恐ろしくありませんわね。
「話の腰を折られましたが私も静観でいいです、エリーの派閥内にいて第2王子たちを婚約者にする為頑張るのでしょう?背後に誰かいるか個人が勝手に動いてるならけじめを付けさせなければなりませんが……エリーや公爵家ならポーズとしてもいまいちですし翌々考えると放っておいたほうがいいと思ったの皆の考えですよね?」
「慰謝料……いっぱい取れる……」
「私の婚約者がそんなあっさりと寝取られるわけなかろう!何だ!皆のその目は……」
「優しくされるだけでころっと落ちそうやぞ、アレ」
「そしたら……決闘だな、アドマインと……」
王家は見放しつつあるのに婚約者を見放してないの正直すごいですわね……多分愛とは違うと思いますわよ。とりあえず……お話ですわねベルクおじさま。
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