第9話飲み会配信

☆2000&200000PV&現代ファンタジー週間ランキング1位達成しました!

皆さんが読んでくれたおかげです。本当にありがとうございます。


それでは本編どうぞ


――――――――――――――――――――――――――――――


【そろそろスタートやな】

【配信開始1分前!】

【楽しみー!】

【お、来たか!?】

【始まったー!】


トウヤとの会話で悩みが吹っ切れたレイは翌日さっそくネクサスのメンバーを全員集めて飲み会を開いていた。


「レイは最初は生だよな? リキヤはどうするー?」


「僕もビールでお願い」


「OK、じゃ男性陣は全員ビールで女性陣はどうする?」


「アタシはレモンサワーにしようかな。ユウカとカエデはどうする?」


「私は梅酒で。カエデちゃんはカシスオレンジですよね?」


「ん、カシオレは神。異論は認めない」


カシオレ過激派のカエデに苦笑しながら注文を終える。その後全員にグラスが行きわたったのを確認してからレイが口を開く。


「全員行き渡ったかな? じゃあ改めまして乾杯の挨拶を。えー、ここ最近勝手に重圧感じてみんなを避けててすみませんでした。昨日トウヤと話して吹っ切れたのでここからは大丈夫です。じゃあこれからネクサスらしく自由にやりたいことやって楽しんでいきましょう。カンパーイ!」


「「カンパーイ!!」」


乾杯の挨拶を済ませてみんな好きなように飲み始める。


「それにしてもレイさんやっぱり私たちのこと避けてたんですね」


「そんな悩む前にアタシたちに相談してくれれば良かったのにねー」


「まあでも僕はレイの気持ちわかるなー。Sランク3人とか扱いきれる戦力じゃないしね」


「私たちAランクとは強さのレベルが違いますもんね」


「おいおい、俺たちをのけ者にするようなこと言うなよ」


「ん、仲間外れはよくない」


「そうだそうだー!」


久しぶりの幼馴染全員そろったことで会話も弾み酒も進む。


「あ、そうだ。忘れてた。この飲み会配信してるからとりあえず全員カメラに向かって自己紹介しとくか。ヒカリとトウヤ以外はアレ以降配信出てないし」


配信していることを思い出したレイが自己紹介を提案する。


【あ、やっとこっち意識した】

【忘れてたんだ】

【正直仲いい様子だけで白米食えるから一生あのままでよかったけど】

【ネクサス全員集合とか貴重すぎだろ】

【自己紹介嬉しい!!】


「じゃあ、一応リーダの俺から。改めましてみなさんこんばんわ。ネクサスのリーダでAランク探索者のレイです。今日はただの身内の飲み会ですけど興味ある人はみてってください」


【我らがリーダーレイさん来ちゃー!】

【この二日で急激に知名度が上がった人だ】

【身内の飲み会豪華すぎるだろw】


「じゃあ次は俺! うっす、ネクサスの近接担当Sランク探索者で剣鬼の二つ名を持つトウヤだ。俺がレイを説得したからお前らはこの配信を見れてるんだから全員俺に感謝しろ!」


【剣鬼来たー!!】

【ありがとうございます!】

【あなたのおかげで推しを見れる機会が増えました】

【トウヤ様ー】


「じゃあ先に男性陣ということで次は僕かな。初めましてAランク探索者で要塞の二つ名を持つリキヤです。ネクサスでの役割はタンクです。好きなものはネクサスのみんな、嫌いなものは僕らの邪魔をする人です。よろしくお願いします」


【出た要塞だー!】

【でけえー】

【口調優しいけど嫌いなものいうときちょっと怖い】

【好きなものネクサスのみんなってのがもう尊い】


「次はアタシ―! ネクサスのスピード担当、ヒカリちゃんだよー。 ランクはS、二つ名は光速でーす。好きなことは走ること、嫌いなことは取材でーす。よろしねー」


【ヒカリちゃーーん!!】

【出た取材嫌いw】

【こう見るとSランクには見えないな】

【可愛いよヒカリちゃん!】


「じゃあ次は私ですね。みなさんこんばんわ。ネクサスのヒーラー担当でAランク探索者のユウカです。好きなことは料理、嫌いなものは話が通じない人です。よろしくお願いします」


「おーいユウカー二つ名はー?」


「っち! ...二つ名は不本意ながら撲殺天使です。そう呼ぶ人は許しません。トウヤさんもしばらくケガしても治してあげませんよ」


野次を飛ばしてきたトウヤをにらみ不機嫌に二つ名を言うユウカ。


「なん、だと...」


【ユウカちゃんだー!】

【最初とってもおしとやかだったのに急に舌打ちうけるw】

【トウヤかわいそう】

【自業自得なんだよなあ】


「おーい次はカエデの番だよ。ほら君で最後だから唐揚げ食べてないで自己紹介する」


みんなの自己紹介中も気にせずご飯を食べていたカエデをカメラの前に引っ張り出す。


「ん、Sランク探索者のカエデ。二つ名は殲滅姫。好きなことは範囲魔法、嫌いなことはメンドイこと。よろしく」


【カエデちゃん小っちゃくて可愛い!】

【殲滅姫の文字の破壊力よw】

【正直撲殺天使と同じぐらいひどい気がするけど本人嫌そうじゃないな】

【もぐもぐしてて可愛い】

【マイペースかよw】


「とりあえずこれで自己紹介は終わりだね。あ、ついでだしアオイもやっとく? 声だけなら前回やってるけど。これから出ること多いだろうし」


レイがアオイに自己紹介するか尋ねるが、


「いえ、私はネクサスのメンバーではないので」


あくまで秘書だからと固辞するアオイ。


「いいじゃんやっときなよ。レイの秘書って時点でアタシたちに一番近いしやっといて損ないでしょ」


「そうそう、それに僕たちは君のことももう身内だと思ってるよ」


「ん、アオイはいい人」


遠慮するアオイにヒカリ、リキヤ、カエデがやるように促す。


「どうするアオイ? 顔出すのが嫌なら別にいいけど」


レイがアオイに再び尋ねる。


「分かりましたやります。みなさんこんばんわ。前回声だけで挨拶させていただきました。レイさんの秘書のアオイです。ネクサスの皆様が快適に過ごせるように精一杯頑張ります。宜しくお願い致します」


【やっぱり美人さんやったー!】

【眼鏡かけたクール美人いいね!】

【結婚してください!】

【アオイさん人気過ぎて草】


「じゃあ全員自己紹介も終わったしあとは好きに飲み食いしますか。アオイも遠慮せずに好きなようにすごしていいからね」


自己紹介を終えてから皆好きなように飲み食いをはじめ視聴者を一切気にかけない配信とは思えない光景が広がるが同接は減るどころかゆるやかに増え続けついに10万人を超える。


そしてしばらく時間が経ちいい感じにアルコールが回ってきたタイミングでヒカリがある提案をする。


「気持ちよくなってきたしこのままみんなでダンジョン行かない?」


「お、いいな。最近そろっていくのはレイのせいで減ってたしな」


「それは悪かったがもういいだろトウヤ。それにしても今からか? 結構遅い時間だが」


「そ、みんな嫌?」


「僕はいいと思うよ」


「ん、どっちでもいい」


「行くなら酔い覚ますためにヒールかけましょうか?」


「ヒールかけたら折角のいい気持ちが台無しじゃん。いらないいらない」


「じゃ反対いないから行くか。でもみんな酔ってるし、ないとは思うけど万が一があったらいけないから行くとしても下層までね」


酔ってダンジョンに行くことなど他の探索者からしたらあり得ないことであり、周囲からは自殺志願者としかみられないような危険な行為なのにもかかわらず誰一人止める人がいないのはやはりネクサスが狂っていることの証明といえるだろう。


【まさかのここからダンジョン配信!?】

【寝なくてよかった!】

【酔ってる状態で大丈夫なのかな】

【まあネクサスなら大丈夫だろ】

【ユウカちゃんの発言的にその気になれば一瞬で酔い覚ませられるみたいだし】

【というかこの人たちの下層までなら安全とかいう価値観どうなってるの? 下層なんて一握りの超一流の探索者しか行けない領域のはずなんですけど】

【おい、マジでこれ見て勘違いすんなよ! 普通準備もせずに突発的に、しかも酔った状態で下層なんかいったら一瞬で死ぬからな! ネクサスが特別なだけだからな!】

【また現役探索者が発狂してて草】

【毎回じゃねえか】

【内容が内容だから仕方ないんだよなあ】


「じゃあ、とりあえずダンジョンにつくまで一回配信切るか。ダンジョンついたらまたつけるから見たい人は来たらいいよ。それじゃいったんバイバイ」


そう言ってレイは配信を切るのだった。



――――――――――――――――――――――――――――――



やっとパーティーメンバー全員出せました。次回はダンジョン配信回にになる予定です。次回も読んでいただけると嬉しいです。

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