入学までのいざこざ
36話姫様との揉み合い
懐かしい思い出とともに幼き日の約束を思い出し、変な汗が背中を滴り落ちていく。
物思いに耽っていると彼女が前のめりになりながら覗き込んでくる。
「どうされたのですか?」
「いやエミリ…エリカちゃんと出会った時のことを思い出していただけだよ」
「懐かしいですね〜。
あの頃は死体が腐るなんて思わなくて失敗しちゃったねぇ」
「あのときは焦ったよ。
まさかあんなに話題になるなんて思わなかったよ」
「ふふふ、あのときは私もお父様にこっぴどく怒られましたね」
ほんと懐かしいな〜。
彼女が顔を近づけてくるが、僕は窓側に移動する。
「ランサーくぅーん、どうして逃げるのかなぁ?」
「まさかランサー君が私のとの約束を忘れて女の子達を侍らせているなんて思いもしませんでしたよ♪」
恐怖から目を逸らそうとするが、首を掴まれて無理矢理目を合わせられる。
彼女の目からハイライトが消えていた。
「ねぇどういうことなんですか? 私達は婚約した中ですよね。
それなのにどうして雌猫達を侍らせているんですか?
私のこと忘れてイチャイチャしてたんですか?」
「忘れてなんか……」
「じゃあなんですか? 私のことを覚えておきながらラブラブしていたってことですか?」
「そういうわけじゃ…」
「でも許してあげますよ。 その代わり…」
よかったなんとかなりそうだ。
「ランサー君の初めてもらいますよ♡」
エリカちゃんがとんでもないことを口走ってくる。
「えっ? …ってちょちょちょっと、どこ触ってるの!」
彼女は僕の腰に手をやるとズボンを下げようとしてくる。
僕は貞操の危機を感じ必死に抵抗する。
しばらくの揉み合いの後、突然扉が開いて王女の侍女が呼びにくる。
「姫様、王宮に到着いたし…」
僕達の光景に侍女は言葉を失っていた。
服を肌蹴させ、僕の上にまたがる様に乗っている王女。
そしてその下でズボンのチャックが壊れた状態で股の横からズボンを持っている僕。
これだけの状況を見れば二人が何をしようとしていたか推し量ることができる。
「エリカちゃん、王宮に着いたって」
エリカちゃんは黙ったまま顔を赤らめながらも必死に僕のズボンを下げようとしてくる。
「王様を待たせる訳には行かないよね?」
彼女がいくら王女であってもそう簡単には陛下と謁見の機会を得ることはできない。
それに彼女は何か焦っているようだしそんなに悠長にはしていられないだろう。
「はーぁ、わかりました。
それでは参りましょうか」
彼女と僕は格好を直してから王宮の中に入っていく。
少し歩いていくと重厚感のある豪華な扉の前に立たせられる。
「陛下、エリカ・ランドール 戻りました」
「入りなさい」
陛下のお声とともに扉が開かれる。
➖姫様が焦っている理由はうかうかしていると聖女が取り返しにくると考えているからです。
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