33話決着とピンチ

僕は相手の攻撃目掛けて突っ込んで魔法を叩き落とした。


『お主なんて無茶をさせるんじゃ!

伝説の剣じゃぞ!

もっと丁寧に扱わんかい‼︎』


「いいだろそれくらい、それよりもちゃんと力貸してくれよ」


僕の登場に魔族は驚愕の表情を見せる。


「なっなぜだ、 なぜその剣を持っている?

その剣はあの勇者ですら使えなかった代物だぞ!

それをなぜ貴様がぁ!?」


「えっマジで?

本当にお前って伝説の剣だったのかよ」


『そうじゃぞお主。

妾は先々代の聖女であり、武の女神と言われた者が使っておった最強の剣じゃぞ!

それを力づくで引き抜くとはなんと罰当たりな』


「今は僕が持ち主なんだから関係ないだろ。

それよりも今はあいつをやるぞ」


僕が剣を向けると魔族は汗を垂らしながら唇を噛み出す。


「クッ、やはり貴様はここで倒さなくてはなくてはな」


魔族はゆっくりと降下しながら魔力を貯め始める。


『イービルストライク』


黒稲妻が空をかけていく。


「あれ切れるか?」


『妾なら朝飯前よ』

『じゃが、それよりもいい方法がある。

妾をバットのように使うのじゃ!』


「了解!」


僕目掛けて稲妻が落ちてくる瞬間、僕は稲妻に剣の腹をぶつける。


「今だ!」

『よしきた!“パリ”』


次の瞬間、剣が虹色に輝きを放つと剣に当たった稲妻のスピードが上がりながら魔族に向かって飛んでいく。


「そんなバカなことが、グァー‼︎」

バドーン‼︎


凄まじい音とともに無防備になっていた魔族に直撃した。


『どんなもんじゃい!!』


「伝説の剣の力は伊達じゃなかったな」


『ふふふ、聞いて驚け。

先程のパリは相手の魔法を1.5倍にして跳ね返す技なんじゃぞ!』


自慢話はさておき、真っ黒な煙を上げながら苦しそうな表情の魔族が現れる。


「何と出鱈目な!

グフッ、こうなれば我が奥義を見せてやる」


魔族は先程よりも多くの魔力を貯めていく。


「この技は魔王様の魔法を参考に開発した最強の魔法。

これで貴様らも終わりだぁー!」


『デストロイストライク』


巨大な黒いエネルギーボールが僕達目掛けて飛んでくる。


「おい!もう一回さっきのやつやるぞ」


『む、無理じゃ! あそこまでの魔力量の攻撃を跳ね返すなんて不可能じゃ!」


「おいー!お前伝説の剣じゃないのかよ⁉︎

どうすんだよーこれ!」


エミリちゃんも驚きながら聞いてくる。


「えっ、もしかしてこれやばい?」


「とにかくやるしかねぇ!

エミリちゃん!バフかけてくれ!

お前もやらなきゃ終わりなんだから力貸せよ」


エミリちゃんは急いで魔力をかき集める。


『エンチャントパワー』


「やるぞ!」


『妾達の本気を見せてやるぞ!』


僕は魔法に剣で切ろうとするが、全然切れる気配がしない。


僕はそのまま踏み止まりながらも魔法の勢いに押されて滑っていく。


『や、やばい〜! 先に妾が砕ける〜』


やばい、このままじゃ…。

もうむ…。


そのとき背後から異様な気配が近づいてくる。


後ろから手を押されると急に魔法が切れ始める。


何がなんだかわからんがこれならいけるー!


「うおらー!いっけー!」


その後、凄い爆発音と共に大きな爆発が起こる。


「な、なんとか切れたー!」


煙が収まるとまたしても驚愕の表情を浮かべた魔族が見える。


「ば、バカな あの技を防ぐとは。

あ、ありえない! そっそうだ、これは夢だ。

これはきっと悪い夢に違いない!」


魔族は意味のわからないことをぶつぶつと言い続けている。


恐らくもう魔力がきれたのだろう。

魔法を放つ気配がない。


「わるいがお前はここで終わりだよ」


「まっまだだ! まだ私は」


魔族は死の恐怖にかられて尻餅をついた後、後退りしていく。


僕が魔族を仕留めるために全速力で近寄っていくが、途中で風とともに流れてきた黒いチリが奴の横に集まっていく。


「あれは一体?」


いつのまにかチリが人の形をなしているのが分かった。


そうして黒いフードを被った男が姿を現す。


「同胞をいじめるのはここら辺でやめてもらいましょうか」


僕は動きを止める。


「ちょっとランサー君! 早くあいつやっつけないと!

ランサー君がやらないなら私が…」


僕は見かねて走ってきたエミリちゃんを静止させる。


「あいつは、やばい! 近づいちゃダメだ!」


「やっやばいってさっきまでのよりも?」


「た、多分。 というか正直実力の底が感じ取れない」

「まじでやばいな。 さてどうするか」


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