31話真名解放
「クソがっ、忌々しいガキどもめ。
まだそれほどの魔力があったとは」
「こうなれば私も奥の手を使うと致しますか」
何やら不穏なことをいっているが、そんなことはほったらかしにしてエミリちゃんが話しかけてくる。
「動いて大丈夫なの?」
「なんとかね。
それよりも剣がないのがまずいね。
あの剣はもう使い物にならないし」
「あの館にあった剣なら使えそうじゃない?」
「確かにがわは使えそうだったけど、さっき剣を抜こうとしたときつっかえる感覚だったし、長年放置されてたみたいだし使い物にならないと思うけどな」
「でもやってみる価値はあるわ」
「…わかった。
少しだけ時間を稼いでくれないか。
その間にさっきの剣を取ってくるよ」
「任せて! さっきもらった魔力もあるし持ち堪えてみせるわ」
「話し合いは終わりましたか?」
「あら待っていてくれたのね?」
「私も力を貯める必要があっただけですよ。
それより、ここからは本気で相手するので覚悟してください」
すると魔族が放つ圧が突然膨れ上がる。
『我が真名はキューザック。 我が力、今一度解放せよ』
唱え終えると圧が先程とは段違いに上がっていた。
昔母と一緒に魔族に関する本を読んだことがある。
その本にはこう書かれていた。
[魔族はそれぞれ生まれたときから真名を持っている。
そしてほとんどの魔族は魔界からでると気配が大きすぎて四大精霊や精霊女王に気づかれてしまい多くの者達が殺された。
魔族達はそれを防ぐために人間界では真名を隠し、力を抑えるようになった]
だが今のは真名の解放、ということは本来の力を解放したということだ。
やるしかない。
このまま彼女だけが戦っても勝ち目はないだろう。
ならばもうあの剣を頼りに戦うしかない。
僕達はお互いに向き合い、頷いた。
その後僕は屋敷の方に全速力で走り出す。
同時に彼女も魔力を貯め始めた。
「ここに来て逃亡ですか、しかし逃しませんよ」
「こっちよ!」
『フラッシュ』
「ぐっ、小癪な!」
僕は彼女に背を向けたまま屋敷に入った。
すぐに奴と出会った場所まで行くと置いてある剣を発見する。
すぐさま引き抜こうとしてみるが、錆びついているのかうまく抜くことができない。
まずいまずい!
焦る気持ちと共に剣に目一杯の力を込めるとどこからか声が聞こえてくる。
『汝は何のために使う?』
「アイツを、魔族を倒すためだ!」
『それほどの力がありながらなぜ欲する?』
「彼女を助けるたまに決まってるだろうが!」
『汝に我を使う覚悟はあるか?』
「そんなもん関係ねー!
さっさと寄越せー!」
僕は問いかけを無視して力で無理矢理剣を鞘から抜いた。
➖コメント多くて返信する時間なかったんで今度やりますね。
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