25話 過去編② 知らぬ間の初キス

彼女が涙目になりながら近づいてくる。


「化け物は倒したからもう大丈夫だよ」


「ひっひく、ありがとう。

助けてくれて う、うわーん」


緊張の糸が切れてしまったのだろう。

彼女は安心して泣き出してしまった。


彼女は泣き止んだ後、僕の体を見て顔色を真っ青になった。


「だ、大丈夫です、か、?」


「大丈夫だよと言いたいがこの有様じゃね、」


僕は口から少量の血流しながら、痛みに顔を歪めながら話した。


「ご、ごめんなさい。私を庇ってこんな傷を…」


僕は彼女を安心させるために無理矢理笑顔を作って話出す。


「悪いんだけどさ、この先に洞窟があるからさ。

連れてってくれるかな」


彼女は頷いた後、僕を支えながら洞窟に運んでくれた。


それからしばらくして僕は痛みから気絶してしまった。


ーエリカside

私は彼を洞窟に運んだ後薬草を探しに外に出る。


彼は私に対して無理に強がっていたが、あの傷は間違いなくやばい!


おそらくはなんの処置もしなければ命に関わるくらいには酷い傷だろう。


彼を運ぶ最中も彼の顔色はみるみるうちに血の気が引いていっているのがわかった。


彼は絶対に死なせない、死なせてはいけない。


彼は命の恩人だ。


私と同い年くらいの彼が命がけで助けてくれたんだ。

そんな恩人を絶対に死なせない。


私が薬草を集めて洞窟に戻ると彼は痛みで表情を歪めながら眠っていた。


『フレア』


私は薬草を少し炙って彼の傷口にくっつける。


薬草は炙ってから傷口にくっつけることで葉っぱから出た液体で傷を治すことができるのだ。


『ウォータープーラ』


私は手のひらに水を産み出す。


そうして彼に水を飲ませようとするが、彼は眠っていて水を飲まない。


このままでは彼は血を流しすぎたことで脱水症状などを起こすかもしれない。

きっとそうだ。


そうだ、だからこれは仕方ないことなのだ。


そうして私は口に水を含んだあと彼にキスを落として水を流し込む。


初キスを彼に捧げてしばらくキスをしていたが、彼がごふ、と苦しそうな声を上げたことで仕方なく引き下がる。


そうしてしばらく経つと彼の顔色は良くなり、呼吸も安定し始めた。


よかった、本当によかった。


私は少し疲れて横になると偶然、偶然彼の顔が横にあったので彼の顔を眺めながら眠りについた。


➖春休みが終わり忙しくなってしまい昨日は更新できませんでした。


楽しみにしてくださってくれていた皆様申し訳ございません。


これからも頑張って更新していくので応援よろしくお願いします🙇

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る