過去編

24話 過去編スタート

数年前…僕は屋敷の裏にある山の麓に来ていた。


とある大会で兄に敗北した後、僕は家出をして母がまだいた頃に家族でピクニックにきた思い出の地に来ていた。


僕はそこにあった洞窟で野宿をし始めていた。


そんなおりに遠くで激しい戦闘音が聞こえた。


恐る恐る、近づいていくと見慣れない格好をした大人達が血だらけになって倒れているのを発見した。


母から「周りの人達を助けられるような人になりなさい」と言われていた僕はすぐに助けるために近寄った。


すでに息が絶えていることを確認した後、奥の方で女の子の叫び声が響いた。


急いで奥の方に向かっていくと美しい服を着込んだ少女がブラックベアーに襲われそうになっているのを発見した。


どうにか助けに入りたいが、魔法が使えない僕は立ち尽くすことしかできない。


誰か生きていないのかと周りの大人達に近寄って確認するがどれも反応はない。


どうにかならないかと大人達の懐を探っていると上等な剣が目に入る。


剣は母に使い方を教わったことがあるがそれも一、二回だけまして実戦で使ったことなど一度もなかった。


だが、このときの僕は無我夢中になって剣を持つ。


始めに持ち上げようとしたときは重く感じたが、次の瞬間にはまるで何かが力を貸してくれているようにあっさり持ち上がった。


それから急いで襲おうとしているブラックベアーに向かって剣を振り下ろす。


だが、剣はブラックベアーの背中に刺さったが途中で刃が止まって抜けなくなる。


刺されたことに気づいたブラックベアーが振り向いて襲いかかってくる間に僕は急いで大人達のもとに駆け寄り、別の剣を拝借する。


そうして襲いかかってきたブラックベアーが横からパンチを喰らわせてくる。


僕は剣で防ごうとしたが、あまりの勢いに吹っ飛ばされ木に激突した。


痛みで耳鳴りが酷く、鈍痛も酷くなって意識を手放しそうになったとき、何処からか声が聞こえてくる。


「今回は特別ですよ」


そう聞こえた後、それまであった痛みが嘘のように引いていき体に大きな力が宿る。


ブラックベアーが怒りのままに正面から突撃してくるのに合わせて僕は力一杯に剣を振るった。


すると剣はブラックベアーの首にヒットしてブラックベアーの頭が切れて吹っ飛んでいった。


勝てたことに安堵して力を失ってへたり込んでいると奥の方から先程の少女がやってきた。


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