23話聖女side、私の騎士
やばいやばいやばい!
彼が取られちゃう!
私は急いで彼を追おうとメリルを呼ぶ。
「メリル私の彼を取り返……、いえ私の騎士を連れ戻しに行きますよ」
「……お嬢様、いくら聖女といえどいっかいの令嬢が無断で王城に入ることは無理でございます。
まして彼は恐らく最初に謁見を受けることになるでしょう。
王との謁見を邪魔するなど無理でございます」
「メリルさんお願いニャ」
「はう♡、わかりましたよ。
それならばまず旦那様に相談されるのがよろしいかと」
「そう、ならまずは屋敷に向かいましょう!」
それからは私達は馬車に乗って屋敷に移動する道中では焦る気持ちを抑えられず、貧乏揺すりをしてしまう。
屋敷に着くと私達は真っ先に当主室に向かう。
「おお、どうしたんだ二人ともそんなに急いで。
で、試験はどうだった…」
「お父様、そんなことよりも至急王との謁見を申し込んでくださいませんか」
「……なにがあったんだい?」
それから私達は素早くことの顛末について話した。
「そうか、まさか彼が姫様と知り合いだったとは…。
よし、そういうことなら今すぐ王城に行こう。
私なら王への謁見は叶うと思うし、恐らく王も件の話を聞けば私達が王城に来ることも想定されるだろう」
いつもはくだらないパーティなどに参加しなくてはならない立場であることを疎ましく思っていたが、こういうときは公爵家であることに感謝する。
早く彼を取り返さないと彼と婚約するのはわた……いえ、私の騎士を取り戻さないと。
ー主人公side
王城に向かう馬車の中でエリカちゃんは急に頭を下げてきた。
「この度は少々手荒に連れてきたことすみませんでした」
あれは少々で済まされるのだろうかと疑問に思うがそれは言えそうにないな。
「いやいや大丈夫だよ。
かねてより僕自身もあのときのことを教会や王城に説明する必要があったしね。
ただあのときは指名手配されて驚いたけどまさか君が王女様だとは思わなかったよ」
「ミーシャには嫌われてしまったかもしれませんね」
「大丈夫だよ。僕からも色々と説明しておくし、ミーシャも許してくれるよ」
「ありがとうございます。
私からも謝罪の文を送っておきますね。
でもあれは愛ゆえの行動だったので仕方なかったのです」
「愛ゆえか、……」
「はい、愛ゆえです♡」
これはやばいな。愛を免罪符にして良からぬことをされると思い警戒する。
それにしてもあれからもう七年か、
そうしてランサーは昔のことを思い浮かべた。
➖今回は少し短くなってしまいました。
次からは過去編をしていくので楽しみにしていてください。
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