20話御老人との出会い

久しぶりに本気で苛立ってしまったな。


「ミーニャ、帰ったらホットコーヒーを頼めるかな。優しい甘さのやつで」


「わかりましたニャ」


受付に書類を届けに移動しようとした時、後ろから声をかけられる。


「君は受験生かい?」


「そうですけど、」


振り向くと背丈ほどの杖を僕の方に向けているご老人が目に入る。


「ほっほっほ、いやーすまない。

先ほど強い殺気を感じてな」

「まさか受験生だったとはな」


「先ほどはお騒がせしてしまい申し訳ありません」


「いやいやなに、お主が悪いことしていないことは見ていたから知っておるよ」

「しかしお主のような逸材がおるとは聞いておらんが、何か訳ありかの?」


「ランサー様、そろそろ時間が近いですニャ」


「そうだったか。

すみません、このあと用事があるので失礼いたします」


そうして僕達は急いで移動する。


「ふむ、」


急いで受付に移動した後、書類を提出して約束の場所に向かう。


ー学園長side

ランサーが去った後、受付に先ほどの老人がいた。


「がっ、学園長‼︎ いかがなさいましたか?」


「すまないが、さっき来ていた少年達の書類を貰えるかな」


学園長は受け取った書類に目を通していく。


(グレイス家 子息 グレイス・ランサー)


どういうことじゃ⁉︎ グレイス家に子息がおったなど聞いたことないぞ。

グレイス家には一人娘である聖女様しかおらんはずじゃ。

あのガルガン殿に限って隠し子などはないであろうし。


ランサー、ランサー……、ラムズ・ランサーか。

確かあの大会で不自然な敗北をしたラムズ家のご子息だったはずじゃ。

それがなぜグレイス家に。


そういえば何週間か前にグレイス家で聖女様の襲撃事件があったはずじゃ。


うむー、まぁなにはともあれあれほど逸材が学園に入って来てくれて何よりじゃな。


しかしあれわしより強くね?


何処かで聞いたことのあるセリフを思いふけながら老人は姿を消した。


ー主人公side

「聖女様、遅れて申し訳ございません」


「約束の時間からそんな経ってませんし、大丈夫ですよ」


聖女様が寛容だったようで一安心だな。


「まぁそれはそれとして罰は受けてもらいますよ。

罰として馬車に乗ってる間はずっと撫でてくださいね」


それを聞いてミーニャは怒った顔になる。


「そんなのずるいニャ‼︎

ランサー様!私を迎えに来るの遅かったし、遅れたせいで私を危険に晒したニャね。

罰として膝枕の刑ニャ」


「なっ、ずるいです!ランサー様罰を追加します。あなたには馬車の間…」


「二人ともいくら何でもそれは…」


最後まで言おうとしたところで二人に鋭く睨まれたのでその先は言えなかった。


馬車を引いてきたメリルさんが奥の方で微笑ましそうにこちらを見ていた。


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