第18話試験①

「それではランサー様頑張ってきてくださいね」


聖女様は試験会場とは別のところに移動するようだ。


「はい、必ず合格してみせますよ」


「貴方は頑張らないでもいいよ」


「いいえ、必ず合格してランサー様と楽しい青春を送るのでご心配なくニャ」


ミーニャは僕の使用人として学園に入学するために試験を受けることになっている。


ちなみに聖女様の使用人であるエミリーは聖女様のお力(権力)によって試験を免除されており、何故かは知らないが数日前から王都に行っていた。

聖女様も同様に試験を免除されているので僕達よりも一足先に最終試験会場に向かわれる。


「それではランサー様のご検討をお祈りしております」


メリルさんが聖女様を乗せて馬車を走らせ去ってゆく。


メリルさんは公爵家の使用人というだけはあり、基本的に何でもできる。


恐らくは僕がいない間の護衛の役割でもあるのだろう。


聖女様達が去った後、僕達も試験会場に入って行く。


会場に入り、受付で書類の記入を済ませて受験番号を受け取っていると後ろの方から声が聞こえてくる。


「ねぇ彼ってたしか…」

「あの話題の…」

などのコソコソ話程度の声が聞こえてくる。


恐らくはあの記事を見た者達だろう。


「気にする必要ないニャ、ランサー様。

試験で見返してやればいいニャ」


「ありがとうな」


そうしてミーニャの頭を撫でてやると嬉しそうな笑顔を見せてくれる。


そうこうして書類の記入を済ませて筆記試験の会場へ向かう。


そうして筆記試験が始まり、少しの休憩を挟みながら3時間ほどで試験は終了した。


日頃からの研鑽もあって筆記は恐らくほぼ満点の解答が出来たと思う。


それから魔法試験の会場に移動する。


「それでは私はここで、ランサー様に恥じないくらいの活躍をしてきますニャ」


「あぁまた後で会おう」


そうして僕はミーニャを見送って剣術試験の会場へ向かう。


ミーニャは剣は使えないが魔法は同年代の貴族の子息たちと引けを取らないくらいに上達している。


ミーニャの実力なら合格は確実だろう。


そうしているうちに僕は試験会場にたどり着いた。


そこではすでに何人かの受験生と騎士が戦っていた。


この試験では騎士達の中から順番待ちをしている人が少なそうな騎士の列に並んで木剣による模擬戦を行う。


周りを見渡して見ると他に比べて明らかに人が少ない列が目に入りそちらに並ぶ。


試験官を見てみればいかにも大人の女性といった面持ちで全く戦闘など出来なさそうで一番狙われそうなものなのに。

前の方では受験生が防戦一方になりながら戦闘をしている。


他の列に比べても進むのが早く、すぐに僕の一個前の人が試験を受け始めた。


というかこの試験官どこかで見たことがあるのだが、気のせいだろうか。


「次!」


物思いにふけっていると自分の番が回ってくる。


「あっ、君はたしか…、いや何でもない。

それでは試験を開始する」



➖フォローと⭐︎が欲しいー。

それに♡で応援とコメント宜しくお願いします🙇







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る