第12話聖女、姫side
それから私は紆余曲折あり(トラウマとの対峙 参照)彼に助けられた。
エリカから彼に恋したと言われたときはあまりの事態にテンパっていたので何をいったかは覚えていない。
だけど正直彼に恋してるかと言われれば、
恋してるとは言いきれない。
あのとき助けられたことの感謝や彼の強さに惹かれて憧れているだけだという思いもある。
あとは誰かに恋したことがないので恋かどうか判別できないというところもある。
別に彼に惚れたことをプライドが認められないというわけではない。
断じてない!
だってあれで惚れていたら私チョロインじゃん。
命の危機を救われて惚れるのなんてそんなこと…、
そりゃあ彼はそこいらの男子よりはカッコいいし、私と百歩ぐらい譲歩してためを張れるくらい強いし、優しいし、いい匂いするし、それから…。
で、でも一回助けられたくらいで私が惚れるなんてありえないんだから!
今日は変に暑いわね。
そうして私は馬車の窓を開けるとそこはもう家の近くだった。
あら今日は家に着くのが早いわね。
まだ領地の外にいると思っていたのだけど。
そういえば今年からは学園に通うのよね。
確か彼は冒険者になるとおっしゃっていたわよね。
でも彼も本来なら貴族の子息として同じ王立学園に通うはずだったのよね。
そうだ!彼もきっと本音では学園に行きたいのだろう。
彼は優しいから我が家に迷惑を掛けたくなくて冒険者になると言っているだけだろう。
しょうがないなぁ。
彼には助けられた恩があるし、人々の願いを叶えるのは聖女の務めよね。
そうして私はお父様にお願いを聞いてもらうために当主室に向かう。
ーーーーーーーーーーーーーーー
姫side
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで な ん で ‼︎
私は自室で誰かさんの家に転がり込んでいる浮気者に向けて問答を繰り返す。
私は今の今まで彼、ラムズランサーが廃嫡されていたことを知らなかった。
彼は昔、私に「君とこのままここにいられたらいいのになぁ」
とプロポーズ紛いなことを言ってくれた。
それなのに、それなのに!
なんで彼女の家に転がり込んでんのよー!
私と彼は将来を誓い合った婚約者同士のようなものなのに‼︎
しかもあれは絶対惚れてる!
話を聞いている間乙女の勘が私に何度も告げて来たもの。
こうしてはいられない。
私はこれからどうやって彼とあの女狐を離れさせるか考え込む。
こうなったら予定は狂うけど、彼に私の正体を告げて、お父様にお願いして(脅して)すぐに私の護衛騎士として王宮に迎えて私なしでは生きていけない体にして、それから既成事実を作って、結婚して、子供は十人くらいまで作って…。
絶対に誰にも彼は渡さない!
あんな乳だけの泥棒猫に渡さないだから!
その頃ランサーは訳の分からない恐怖を感じ、武者震いをしていた。
➖考え事に夢中になっていると時間が経っていることに気が付きませんよね。
⭐︎が欲しいなー。
フォロー登録、♡で応援やコメントなどお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます