第8話戦闘開始

「やるぞ!」「ああ!」


まずは前の二人が向かってくる。


今持っているのは道中で拝借した二本の包丁のみ、

それに対して敵はロングソードが一本ずつ。


対応を考える暇もなく一人が切り掛かってくるが、それを半歩後ろに下がることでかわす。


次の瞬間相手の懐からもう一人の相手が突き刺すように剣を出してくるが、それを包丁で横に受け流すようにかわす。


それによって相手の態勢が崩れる。


一人が態勢を崩したことでもう一人はそのカバーのために剣を振り落としてくるが、それを包丁で受け止めて態勢を崩している相手の横腹を蹴り上げる。


相手の一人は壁に激突してそのまま動かなくなった。


相手が怒りながら力で押し潰そうとしてくるが、そこも横にそらして受け流して態勢を崩したところを包丁で胸を突き刺す。


「お見事、ならば次は私がお相手いたしましょう」

そう言いながら切り掛かってくるので咄嗟に包丁で合わせて耐える。


だが、相手は受け流しを警戒して剣を離すと喉元に向かって別方向から切り掛かる。


だが,僕はそのことを予想していたので瞬時に態勢を下げてかわし、そのまま顎の下から包丁で突き上げる。

相手が刺されていることに狼狽えている間にまた胸を一突きにする。


「おいおいマジかよ、」


声の主の方視線をやるとリーダーぽいガタイのいい男は剣を構える。


相手の方にジリジリと間合いを測るように詰め寄ると相手は先程の光景を見て警戒したのか、包丁の方ばかりに視線がいっていた。


僕は包丁を隠して相手に見えないようにしてから予備動作なしで思いっきり相手に投げつける。


相手は狼狽えながらも包丁を剣で弾くが、懐に迫った僕までは眼中になかった。


相手の懐を二度ほど殴り、鳩尾に拳を落として崩れる相手の頭を横から蹴り飛ばす。


すぐにこれ以上相手がいないことを確認したのち、聖女様の部屋に駆け込む。


「聖女様‼︎」


「くるな!近寄るんじゃねぇ‼︎」


部屋の奥には聖女様が口元を抑えられ、首元に剣を突き立てられているのが見えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る