第26話

101号室に入ってきた新たな部屋っ子…。

横浜からやって来た、同い年の二人組…。


名を、宮下(みや)ちゃんと辛島(から)ちゃん(ともに仮名)と言った。


みやちゃんは天パでメガネ。

人懐っこくて穏和な性格。

もう一人のからちゃんは硬派で筋肉質。

短髪のオールバックでかなりのイケメンだ。


二人とも気さくで、特に俺はみやちゃんと親しくなった。


二人は同じ神奈川のY浜高校の同級生で、このY浜高校組は総勢六名の大軍団で大挙して合宿所に乱入してきた(言い方w)


からちゃんは何故かみやちゃんの事を

「宮下さん」

と呼んでいた。

それを疑問に思った早矢仕さんがからちゃんに訊いたがからちゃんは答えず、代わりにみやちゃんが

「コイツなめてんですよ」

と答えた。


みやちゃんを下に見て、敢えて "さん"付けをしてると言う事だろうか…。


するとそこへ、教習を終えたクボが部屋に帰って来た。


「なんや、新入りやないか」


偉そうな態度のクボに対してみやちゃんがこう言った。


「オウ。お前がクボか!?」


さすがに俺もビックリした。

だが、言い終わった後のみやちゃんの表情が若干強張ばってたのと、早矢仕さんが笑い転げてたので、予め早矢仕さんがみやちゃんを仕込んでおいたのであろう。


クボはたちまち不機嫌になり


「ワシがクボじゃ悪いんかい!」


と二段ベッドに上がってしまった。


クボの事だ。 新しい部屋っ子が来たら手懐けようかと思っていたのだろうが、早速その手を噛まれてしまった。


からちゃんは早矢仕さんからクボの話を聞かされたのか、クボが居るにも関わらず


「オレもああされないようにしよう…」


と、思わず言ってしまった。


笑いが起きた瞬間ヤバい! と言った表情をしたが、後の祭りだった。


からちゃんは小さい声で

「すいません…」

と言ったが、クボは返事はしなかった。


新たな部屋っ子が入ってきたこの日の夜、遂に第三の事件が起こった。

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