第3話

クボマサアキ。


この、キャ◯~ンの天◯ソックリな関西弁の男と共に俺は合宿所を訪れた。


ここの合宿所は他所に比べて随分規模が小さいのか、二階建てのアパートみたいな建物だ。

部屋は全て六人部屋で、確か全部で五、六部屋だったと思う。


一階に二部屋と、玄関を挟んで日替わりで教官が宿直する部屋、テレビや自販機が備え付けられてる談話室。

更にトイレと浴室。


二階が三部屋ないし四部屋だったような気がする。

なので、仮に部屋数が六部屋だったとしても、寮には36人しか入所出来ない。


尤も、女子寮は男子寮とは別の場所に在るので、そちらの規模がどれぐらいなのかは知らないが、女子の人数から言えば大した規模ではないだろう。


他所の教習所のパンフレットなんか見ると、まるで豪華なホテルのようで、それに比べるとT教習所の合宿所は随分とみすぼらしく感じた。


更に言えば部屋の広さは僅か八畳程で、この中に二段ベッド三台と小さなテーブルと個人ロッカーが設置されてると言う、刑務所みたいな所だ。



お湯を沸かすにも金を取られる。

確か10分10円だと思ったが、俺達はやかんにメイチの水を汲み、一分前になるとコンロの前に行く。

10分経つとコンロのスイッチが自動的に閉の方に回ってしまうので、俺達寮生は手でスイッチを押さえ、お湯が沸くまで追加料金は投入しなかった。



また談話室だが、寮内にはテレビがここにしか設置してないので、夜には寮生全員がこの部屋に集まった。


とは言えその談話室さえ大した広さじゃないから、俺達はぎゅうぎゅう詰めでテレビを観ていた。


しかも、30人からの寮生が居た日にゃアレが観たいコレが観たいなんて言えない。

最初にテレビをつけた人の番組をただ黙って観るのである。


尤も、寮には他に娯楽がないから誰も文句は言わなかったが…。




話を戻そう。


この刑務所みたいな合宿所に案内された俺は、一階の一号室に行くよう言われた。

そして奇しくも、このクボマサアキも同じ一号室だった。


部屋を開けると、そこには既に何人かの寮生がいた。

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