第27話 異常迷宮 1
メーティからの【念話】に応答した僕は理由を問いかける。
『メーティ?そんなに慌ててどうした?』
『ログ!
『干渉が出来ない?それってどういうこと?」
『こっちの
『おお..異常だな。よし。僕が見にいくよ。クレディオス様にはもう報告済み?』
『おじじにはもう伝えたぞ!ログに手伝って貰えって言われたのだ』
『了解だ。問題の
『ラビス近郊の
『あそこか。近いね。それでクレディオス様は僕を派遣することにしたんだな』
『干渉が出来なくなってからそんなに時間は経ってないけど、どんなことになってるかわからないのだ。急いだほうがいい』
『そうするよ。また連絡する!』
『頼んだのだ!』
僕はメーティとの【念話】を終了した。頭で会話していたのでルーとラトリには会話の内容は聞かれていないが、急に黙っていたから不思議そうな視線を向けている。
「ログさん?どうしたの?急に静かになっちゃって」
「・・・」
「問題発生か?」
ウォーラ様が状況を察し、端的に質問してくる。
「ルー、ラトリ、ちょっとここで待っててもらえる?」
「..わかったよ」
「ん」
「ウォーラさん、ちょっと外へ」
「面倒いなー。もうこいつらにも話せばいいのによ」
まだ詳細をルーとラトリに聞かせるわけにもいかないので一言伝えてウォーラ様とコテージの外で話をすることにした。
「で?何があった?」
「どうもこの近くの
「どんな問題なんだ?」
「干渉が出来なくなった。つまり、
「なるほど。それは異常事態だな」
ウォーラ様は真剣な顔をしているが、ちょっと興奮してるね。オーラ出てるよ。
「よし!私も行こうじゃないか」
「はい、助かります。ちょっと二人に説明してここで待機してもらうので待っててください」
「ん?ダメだ。あいつらが行く事を望んだら連れてけ」
いやいやいや。あの二人にはまだ危険だ。何か起こるかわからない場所には連れていけないぞ。
「いやいや、流石にどんな危険があるかわからない場所に連れてけないですよ」
「お前こそ何言ってんだ?あの二人は十分に鍛えたんだろ?」
「もちろん、鍛えました。でもまだ経験が——」
「あー。お前はまったく」
僕が考えを伝えようとすると、口の前に手を向けられ、言葉を遮られる。
「あのなぁ?お前のいう経験ってのは何だ?どうせお前が把握出来て、いざとなったらどうとでも対処出来るような状況で、まずは色々経験させてって考えてんだろ?」
「そ、そうですね」
「間違ってはないが、ぬるま湯すぎんだよ。あの二人はお前がちゃんと鍛えたんだろ?じゃあ実力は十分だ。お前と一緒に未知の危険に挑んで成長してもらえばいいじゃねぇか。そのほうがでかい経験だ」
く!ぐうの音も出ない。
「それとあいつら、神候補だろ」
「え?知ってたんですか?」
「いや、見りゃわかる。私も【鑑定眼】持ってるからな。ボスからも話は聞いていたんだ。ちゃんと
「..もうウォーラ様のおっしゃるとおりだよ。僕が甘かった」
まったく。この神にはいつも大事なことを気付かされる。安全に安全にと気を使い過ぎていたらあの二人の成長の邪魔になっていたかもしれない。
「それにこの私とお前がついてるんだぞ?十分に安全だろ?」
「間違いないですね。ちょっと二人に話してきます!」
「おう。私はここで待ってる。急げよ」
僕は急ぎ、部屋の中に戻って二人に説明をすることにした。
***
「
「ログさんはやっぱり色々訳ありなんだね。異常って何なのかまったくわからないってこと?」
「そう。今はまったく情報がないんだ。だから直接
「もちろん着いていくよ。私達はパーティでしょ?」
「ん、一緒にいく」
二人に説明してみると迷う事なく着いていくと言ってくる。強い意志を感じる。
「二人ともありがとう。じゃあ一緒に調査に行こうじゃないか。色々と話せてないことがあるけどそれもちゃんと話すよ」
「そうそう。本当にログさん謎すぎるよ?ちゃんと教えてね」
「私もちゃんと聞きたい」
「もちろん。あまり時間がないから移動しながらになっちゃうけど」
二人には急いで準備してもらい、ウォーラ様が待つ外に集合した。
「お、きたな。二人とも着いてくるんだろう?」
「はい、ご一緒させてもらいます」
「ん」
ウォーラ様は嬉しそうに微笑んで二人を向かい入れる。
「よし、ログ。お前がリーダーやれ。私は場所も知らないしな」
「了解ですよ。道中に二人には色々話そうと思うんで」
「そこは任せる」
僕は二人に向き合う。動きやすい服装に上から革製の胸当てを装備している。ルーはちゃんと槍も持ってるね。準備は万端のようだ。
今度、テチノロギス様に僕たちパーティ専用の装備とか作ってもらおうかな。かっこいいと思うんだ。パーティ専用装備。
「じゃあ、二人とも。さっきも言ったとおり、どんな状況なのかわからない調査だ。多分危険な状況だと思うけど気を引き締めていけば二人なら大丈夫。よろしくね!」
「うん!」
「ん!」
パーティとしての次なる冒険は未知の
僕たちは気を引き締めて、山型の
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