第8話 或る畜生乙女の独白 ③

 どうしよう。

 どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう……。

 彼に、嫌われたかもしれない。

 へたに体に触れたりするからいけなかった。

 勝手にスマホを取り上げたりしたのも、失点だった。

 でも焦ってしまう。

 急がないと、急がないと!

 まずい予感がするのだ。

 ほかの女に、取られてしまうのではないかという予感が。

 それだけは絶対にいやだ。

 けど、どうすれば。

 どうすれば、あたしの気持ちを、彼に分かってもらえるのだろう。

 どれだけ考えても、体を触れ合わせ、交わることしか思いつかなかった。

 いくら人間社会に溶け込もうとも、やっぱりあたしたちの本性はケモノなのだろうなぁ。

 オスを自分のものにするのには、

 ――これが一番だと信じている。

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