第17話 二次セレクション開始

 真っ青なゆかのフットサルコート。

 そして真っ黒な天じょうから照らし出されるライトの光。

 このコントラストに、ナナはビックリしちゃった。


 ゆかをよく見ると人工芝じゃない。

 約二十センチ四方の正方形のかたちをした青いブロックが、しっかりめられている。

 その表面が、半透明はんとうめいのクリームみたいなもので、コーティングされてた。

 さらに青色がえてる。すごいよね。ナナ、こんなのはじめて。


 周囲にかべはなく、何本か立ってる支柱のあいだに風通しのよい青色のサッシが、すだれのように下ろされてる。

 これでそとからの風や光をちょうせつしてるみたい。

 一階のフットサルコートと同じような設備が、二階にもあるらしいの。



 「はい、ではみなさん集合してください」


 女性コーチの方がセレクションを受験する女子たちに声をかける。

 「みなさん、ここ『カルディ府中アリーナ』第二次セレクションを受験してくださりありがとうございます」

 受験する女子たちが、何だ何だと集まってきた。


 「今回あえて二次セレクションに、と言ったのは理由があります」

 何のことかな、とナナは耳を研ぎすます。


 「今回の前に一次セレクションがありまして、二百人を超える参加者に来ていただきました」

 わあ、すごい数。ナナは少しおどろく。


 「その中からGK一人をふくめて、ビブスを付けたそこの五人の選手が残りました。はい、はくしゅ」

 スタッフの方々とスクール生がパチパチとはくしゅをしてくれる。

 なんか変なの。ナナはちょっとはずかしい。


 「また、スクール生からもGK一人を含む五人がチョイスされまして、いまここに来ております。はい、はくしゅ」

 今度は一次セレクションを通ったセレクション生がはくしゅする。



 「では、二次セレクションをはじめましょう。各自ストレッチをしてください」

 さあ、はじまるぞ。ナナは、空いているスペースを見つけて腰を下ろした。


 まず、左足をゆかに折り曲げて右足は前にのばす。

 そして上半身をあおむけになるように下ろして、左太ももの筋肉きんにくをストレッチ。


 同じように反対のバージョンを行う。つまり右足を折り曲げて、左足を前にのばす。そのまま右太ももの筋肉きんにくをストレッチ。


 次にすわった状態でまたを開く。そして、バレリーナのように右手を左足に持っていきながら右わき腹の筋肉きんにくをストレッチ。

 同じように、左手を右足に持っていきながら左わき腹の筋肉きんにくをストレッチ。


 両わきの筋肉きんにくをのばした後、そのすわった状態で両足の足裏あしうらを付けて、股関節またかんせつ筋肉きんにくをストレッチ。

 さらにまたを開いたまま両足をのばし、上半身を前方に折り曲げてゆかにつける。


 最後に左右のアキレスけんをのばすストレッチをして終了。



 「では、みなさんコートに入ります」

 スタッフの指示で、ナナはフットサルコートに入っていった。



 


 






 



 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る