裏設定など センリ&カナギ編
この二人は作者である私の友人たちがモデルであり、そこに私がいろいろと上塗りして形成しています。
センリ(夜間千織)は唯一複数のモデルを持ち、明るい表の性格と暗い裏の性格で参考にした人物が異なります。そういった事情もあり、さらに兄が犯罪者という設定のため、実在しない夜間という苗字を当てています(もし実在しておりましたら大変申し訳ございません)。
彼の軸になっているのは、自身の才能と家庭環境に端を発する鬱屈です。
才能に対する複雑な感情は、私自身が情報工学を学ぶ上で疑問に思った点が核となっています。つまり「人間を単なる数値に置き換えていいのか?」という問いです。彼の場合、兄が犯罪件数のデータに計上され、友人となったカナギも被害件数のデータに組み込まれているという事情があります。
さらに本編では出しどころを失ってしまったのですが、彼が今まで関わってきた研究の中には“自律型致死兵器システム”も存在し、死者を数え上げては一喜一憂する研究者たちを目の当たりにしてきたという背景もあります。
自分のために殺人兵器を作り続けてきたセンリにとって、潔く人斬りを辞める決断を下したカナギが眩しく見えるのもそのためです。
家庭環境については、裏の性格のモデルとさせてもらった友人を少々参考にしました(Aさんへ。厳密に同じというわけではなく、かなり想像で膨らませた部分もあるので、どうか怒らないでください。宇治抹茶プリンを奢ります)。
カナギ(金木陸暮)は、この小説を読んでくれるほどに親しい友人がモデルです。本人は「俺はこんな覚悟決まってない」と言ってますが、私の中ではモデルです。
そして彼はこの作品で唯一、私が発案したキャラクターではありません。モデルとさせてもらった友人自身の発案です。爽快な展開好きの彼にもう少し作品の明度を上げたいと相談したところ、「いざというときに頼りになる師匠キャラを作れば?」と言われたので、彼自身をモデルにして作りました。暗い過去がある剣豪という設定も彼から貰いました。(暗い過去という部分は私が膨らませたので、後に設定を伝えたときに彼自身はちょっと引いていました)。
【仇花の日常】は彼が師匠キャラになるまでの物語だったので、焦点は暗い部分に当たっています。この物語を書いたからこそ、トラウマをスキルとして活用し、それでいて明るく振舞う強者のカナギを描けるようになったと思います。
ちなみに本編では少ししか描写できていないのですが、食欲旺盛でラーメン好きというのもモデルの友人を参考にさせてもらっています。マガミもカナギの食欲を気に入っているという裏設定があります。(マガミはもう食事を摂れない身体なので……)。
さらに言えば、センリの不健康な食生活もモデルの友人そのままです。グミと甘味しか食べなかったのが、最近やっとカレーメシに手を出すようになりました。
他に二人の裏設定として
・カナギはお化け屋敷が苦手
・センリは絶叫系が嫌い
・カナギはコンビニで蒙古タンメンを必ず買う
・センリはコンビニでTOUGHグミを必ず買う
・カナギは神奈川県住まい
・カナギは国立大の教育学部の生徒
というのもありました。もしかすると続編や番外編で使うかもしれません。
ちなみにカナギのお化け屋敷嫌いはモデルの友人由来で、彼はお化け屋敷に入った途端に寒気で動けずリタイアしたそうです。
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