第298話 茶番2




 B級冒険者に昇級し、『月花の籠』でフィーネを抱いた翌日。


 昼を告げる鐘が鳴り響く最中、俺はフィーネを伴って冒険者ギルドを訪れた。

 俺とフィーネの組み合わせはそこまで珍しくはないだろうに、ロビーでたむろする冒険者たちの視線は不安げだ。

 フィーネに戻ってきてほしくない誰かが、ご丁寧に<アナリシス>の件を広めてくれたと見える。


「フィーネじゃない。大丈夫だった?てっきり衛士に捕まったのかと思ってたわ」


 俺たちの姿を見て寄ってきたのは掲示板の貼り換え作業をしていた受付嬢だ。

 気遣うような言葉とは裏腹に、その声音には喜悦が滲んでいた。


 フィーネは黙って、同僚からの心ない言葉を聞いている。

 大丈夫だという俺を信じて彼女はこの場に来てくれた。

 こうして好奇の視線に晒される間も、拳を握って不安に耐えている。


 その様子は目の前の受付嬢にとって非常に愉快なものであったらしい。

 フィーネを心配する素振りすら投げ捨て、喜悦を露わにして上機嫌に笑った。


「あはは!頼りの男も、領主様からは守ってくれないものね!ああ、噂をすれば……」


 受付嬢は俺たちの背後を指差した。


 その先には冒険者ギルドの正面からロビーを進む銀色の集団。

 この都市に住んでいてその姿を見間違えるものはいない。

 領主騎士団の騎士たちだった。


「其方が<アナリシス>保有者、フィーネ・ハーニッシュだな?」


 突然の事態に騒めきが収まらない中、騎士たちに護衛されていた一人の男がフィーネの名を呼ぶ。

 質問する言葉とは裏腹に、フィーネが<アナリシス>を使えることを確信している様子だった。

 

「はい。そうです」


 フィーネは偽ることなく、はっきりと肯定する。

 男は小さく頷き随行していた文官に視線を送ると、文官は男に一枚の書状を差し出した。


 これから沙汰が言い渡される。

 誰もがそれを理解して、ロビーは静まり返った。


 男はそれを気にする様子もなく書状を広げ、その内容を朗々と読み上げた。


「一、許可なく<アナリシス>を使用することを禁ず。一、許可なく都市外へ移動することを禁ず。一、命ぜられたときは、速やかに指定の場所に出頭せよ。以上のことにつき、フィーネ・ハーニッシュに命ずる。…………政庁財務局長からの命令だ。質問はあるか」

「いえ、ありません」

「よろしい。これが命令書だ」


 男は丸めた命令書をフィーネに差し出し、彼女はそれを丁寧に受け取った。

 随行の文官が何事かを手元の書類に書き留めるのを見届けると、仕事は終わったとばかりにフィーネから離れようとする。

 

「そ、それだけ……?」


 小さく呟いたのはフィーネに噛みついた受付嬢だ。

 ただし、それはこの場に居る多くの人々の内心を代弁した言葉でもあった。

 

 騎士たちを引き連れて仰々しい命令を読み上げたにもかかわらず、その内容はあまりに空疎だ。

 男は何か伝え忘れているのではないか。

 そう考えても不思議ではない。


 静かな空間に響いた彼女の声は命令を読み上げた男の耳に届き、その足を止めさせた。


「私に何か用かね」

「……この女は、<アナリシス>の保有者です」

「知っているが?」

「……ッ」


 受付嬢が言い淀む間、男はゆっくりと周囲を見渡した。

 視線を合わせぬようにと目を逸らす者が大半だったが、彼らの表情から命令の内容に疑問を持っている者が多いことを察した男は、周囲に聞かせるように説明を補った。


「信頼できる後見人が付いており、逃亡の恐れはない。拘束は無用と判断した」


 受付嬢の視線がフィーネへ向かう。

 フィーネの毅然とした態度が気に入らなかったのか、眉間にしわを寄せた受付嬢は男に更なる疑問をぶつけた。


「法では!<アナリシス>保有者は、政庁に報告が必要だと定めているはずです。報告の遅れに関して、罰則の適用は、ないのですか……?」


 男の眼光に、受付嬢の言葉は尻すぼみとなった。

 それでも彼女の疑問は男に伝わっている。

 周囲の人々も、男が彼女の疑問に答えるのを待っていた。


 ゆえに男は人々が望む答えを述べた。


 しかし、その内容は人々が予想したものではなかった。


「はあ!?」


 素っ頓狂な声を上げた受付嬢を責めることはできない。


 フィーネは先日、法に背いたことを認めてギルドから去った。

 そして、その経緯は口さがない者たちを通じ、多くの人間が知るに至っている。


 男の言葉は、その前提をひっくり返すものだ。


「…………」


 驚愕する受付嬢や野次馬たちを見渡して、俺は密かに笑う。


 一体なぜ、報告の遅れがなかったなどという言葉が出てくるのか。

 男がこの場でそれを語ることはない。

 しかし、政庁にはフィーネが<アナリシス>保有者であるということがフィーネの母親の名で報告されたという事実が、確かに記録されている。


 ちなみに報告日は10年前で、


 そのとき、受付嬢から鋭い視線が飛んだ。

 俺と男が裏で通じていることに、ようやく思い至ったのだろう。

 実際、その推測は的を射ている。


 裏で話がついている以上、引き下がるしかない。

 もう少し冷静だったら余計な恥をかかずに済んだものを。


 そう思ったのだが――――


(なんだ……?)


 受付嬢はこの状況でなお不敵な笑みを浮かべた。

 不可解な態度に疑念を抱く俺を尻目に、受付嬢は姿勢を正して声を上げる。


「私の家は商会を経営しております。次の祝日は、父とともに新たな財務局長様の就任を祝うパーティに出席する予定です」


 彼女は言葉を切って、こちらに視線を向ける。

 その表情は勝利を確信した者が浮かべるような満面の笑みだった。


「財務局長様に直接御挨拶を申し上げる機会もあるでしょう……。今日のこと、財務局長様に直接お尋ねしてもよろしいのですね?」


 受付嬢は周囲に聞かせるように堂々と言い放つ。

 

 その言葉は周囲のどよめきを誘い――――そして、男の言葉ひとつで斬り捨てられた。


「私が、財務局長のベンヤミン・ユンカースだが?」

「――――ッ!!?」


 ユンカースが告げると受付嬢はこれ以上ないほどに驚愕し、絶句した。

 まるで寸劇のような展開が繰り広げられ、俺は口元を抑えて笑いを押し殺す。

 

 ユンカースの装い、随行の文官、護衛の騎士たち。

 それらを加味すれば、彼の正体が政庁の高官であると察することは簡単だ。

 仮にユンカース本人でなかったとしても、政庁の高官がユンカースの了承なく俺に味方することなどあるわけないだろうに、見たいものだけを見た結果がこのザマである。

 嫉妬が判断を狂わせる典型例だろう。


 しかし、これは寸劇ではなく現実だ。

 観客が腹を抱えて笑ったところで、幕が下りて状況がリセットされるわけではない。


 ゆえに、過ちを犯した者は代償を支払わねばならない。


「其方、名は?」

「……ッ!それは、どうかお許しを!」

「私に名乗らせておきながら、自分は名乗りもせぬか。侮られたものだな」


 受付嬢の顔色は蒼白だった。


 政庁高官の就任パーティは商家にとって貴重な顔つなぎの場だと聞く。

 選りすぐりの贈り物を持参し、円滑に挨拶を済ませるまでがスタートライン。

 商売敵を出し抜くためには、さらに相手に好印象を与えなければならない。


 これから挨拶に出向く高官相手に不快感を抱かせ顔を覚えられるなど、彼女の父親が聞けば泡を吹いて卒倒するような大失態だ。

 弁解は震えて言葉にならない。

 許容範囲を遥かに超える緊張で、立っているのがやっとという様子だった。


「挨拶は不要だ。貴様の父にも、そう伝えておけ」

「あ、ああ……」


 それきり、ユンカースは受付嬢への興味を失った。

 何気ない仕草で周囲を見回した彼は、たった今偶然気がついた風を装ってこちらに近づいた。


「おや、アレン殿ではないか。ご機嫌はいかがかな?」

「正直、あまり良くなかったのですが……。今しがた心配の種がひとつ無くなって安堵したところです。あなたのおかげですよ、ユンカースさん」

「はっはっは、それは何よりですな」


 眼光鋭く受付嬢を睨みつけていた男はどこへ行ったのか。

 周囲が怪訝に思うほどわかりやすく、ユンカースは相好を崩した。


 俺はユンカースの就任を祝い、彼はそれを快く受け入れる。

 短い時間の他愛もない雑談によって、互いの関係が良好であることが周囲に示された。


「アレン殿は、いまやこの都市で最も実力のある冒険者ですからな。今後も良好な関係を築いていきたいものです。何か心配事があれば、いつでも相談に乗りましょう」

「これは心強い。機会があれば、頼りにさせていただきます」

「そのときは遠慮なく。我々も、アレン殿を頼る機会があると思いますのでな」


 ユンカースは満足そうに頷いた。


「では、予定がありますので。これにて失礼」


 互いに軽く頭を下げ、ユンカースは踵を返した。

 文官と騎士たちも後に続くが、ユンカースと入れ替わるように、一人の騎士がこちらに歩み寄った。

 ジークムント配下のメガネの副官、アルノルト・バルツァーだ。


「また訓練にいらしてください。ジークムント様が楽しみに待っていますよ」


 そう言えば、一度顔を出したきり行ってなかった。

 あれからまだ半月ほどだが、応じるのが礼儀だろう。


「そうだな。また近いうちに顔を出すと伝えておいてくれ」

「ええ、必ず。それと、伝言をもうひとつ」


 アルノルトは剣の柄を押さえ、不敵に笑う。


「次は必ず土を付けてご覧に入れます。騎士一同、気合を入れてお待ちしております」


 何か<結界魔法>の攻略法でも思いついたか。

 だが、こちらも簡単に膝を着くつもりはない。


「全員、体力が底をつくまで相手になろう」

「ははっ、恐ろしいことです。では……」

 

 ユンカースを放置して雑談に興じるわけにもいかないようで、アルノルトは挨拶もそこそこにゆっくりと集団の後を追った。


 彼らの姿が見えなくなってから小さく溜息を吐く。


 これで魔力計測の貸しは

 不満などあるはずもないが、やはり疑問は尽きなかった。


(一体、どうなってる……?)


 俺がユンカースに直談判したのは昨日の夕方、それも政庁の門が閉まる直前のこと。

 そして、ユンカースとアルノルトが返答を携えて屋敷を訪れたのが今日の朝一のこと。

 本当に失礼な話だが、動きが早すぎて何かの罠としか思えない。


 俺の要望は彼ら――――特に政庁にとっては簡単に頷けるものではなかったし、実際に昨日の夕方の段階ではユンカースは良い顔をしていなかった。

 そういった反応になることは俺も重々承知していたからこそ、昨日の段階では要望を伝えるだけにとどめ、後日詳細な条件交渉をさせてほしいと申し入れたのだ。

 

 にもかかわらず、屋敷にやってきた彼らの返答は

 しかも対価は貸しの帳消しだけで十分だという。


 罠であろうがなかろうが踏むしかない状況だから迷わず笑顔で握手したわけだが、実は罠でしたと言われても納得しかない。

 契約書はなくとも心理的には大きな借りを作ってしまったので、機会を見つけて早めに解消しておきたいところである。

 

 ただし、それは後日のことだ。


「さて、ギルドマスター」


 ロビーの奥、2階へと続く階段の前。

 ギルドマスターが腕組みして事態を観察していた。

 珍しく苦々しい表情で余計なことをした受付嬢を睨んでいるが、職員の指導や処分は俺のいないところでゆっくりやってもらえばいい。


 今はこちらを優先してもらう。


「フィーネの解雇について、根拠となる事実の誤認があったようだ。解雇を撤回すべきと思うが、どうだろうか」

「今回の件は、政庁が命令書の交付を怠ったために起きたことだ。ギルド側に瑕疵はないが、お前の言う通り理由のない解雇は撤回されるべきだろう。フィーネ・ハーニッシュの解雇を撤回し、復職を認める」


 ギルドマスターはフィーネを一瞥し、はっきりと処分撤回を宣言する。

 この瞬間、フィーネはギルド職員としての地位を取り戻した。


 だから俺は、すぐさまB級冒険者の特権を行使する。


「B級冒険者アレンは、受付嬢フィーネに対して専属指名を行う」

「冒険者ギルドは、B級冒険者アレンの申請を承認する」


 まるでキャッチボールのように軽快なやりとりを済ませると、ギルドマスターは執務室へと戻って行く。

 あまりに淡白な会話のせいで、これが事前に決められていた流れであることは誰の目にも明らかだった。


 全てが茶番。

 、全て俺が描いたシナリオのとおりだ。


 今回の茶番を仕組んだ最大の目的はフィーネの安全を確保すること。

 だが、これはユンカースやアルノルトと話がついた今朝の段階でほとんど達成されている。

 それでもわざわざこんな茶番を演じたのは政庁からの明確な許しを得てフィーネを安心させるため、そしてフィーネの立場を冒険者ギルド内に知らしめるためだ。


 俺はこの茶番の中で、政庁幹部と騎士団、そして冒険者ギルドとができる関係であることを半ば公然と示した。

 俺のを示すことで、フィーネに害を為す馬鹿共に釘を刺すことが狙いだったのだが――――


「うそ、こんなの、夢……。そう、これは夢……」


 実家諸共盛大に自爆した間抜けのおかげで、予定よりもずっと大きな効果が得られそうだ。

 飛んで火にいる――――というやつだが、感謝はしておこう。


 なんにせよ、これでフィーネに手を出すには相当の覚悟が必要となった。

 政庁も騎士団も冒険者ギルドも、俺という暴力から身を守る盾になってはくれない。

 だから、俺に睨まれるのは文字通り命懸けだ。


 お前たちにその覚悟があるか。

 俺は暗黙のうちに、それを問うたのだ。


「さてと……、一旦帰るか?」

「ええ、そうね」


 冒険者ギルドの受付嬢という地位を取り戻したフィーネだったが、今の彼女には帰る家がない。

 ギルドを解雇され、職員寮を追い出されるときに手荷物以外は全て処分してしまったから最低限の家具すらないのだ。


 そういうわけで、フィーネは再び俺の屋敷にやってきた。


「不自由はないと思うが、何かあったら遠慮なく言ってくれ」


 フィーネの部屋は、先日彼女を泊めた客室をそのまま割り当てた。

 2階は空き部屋の方が多いくらい部屋が余っているが、どの部屋もフロルによって常時清潔に保たれている。

 広さも間取りも大体同じだから、わざわざ別の部屋にすることもないだろう。


 俺はフィーネから預かった荷物を机に置くと、彼女はさっそく中身を整理し始めた。


「ありがとう。新しい部屋を見つけるまで、多分数日になるだろうけどね」

「別に、そこまで急いで出て行くことは――――」

「それはダメ。私はローザやアンとは違うんだから、私がここに居ついたらティアナさんが気にするでしょう?」


 フィーネの口からそれを言われると、俺としては返す言葉がない。

 さらに彼女はティアに対してこのこと――――彼女を屋敷に泊めていることをすぐに説明するようキツく念を押した。


「もう、しっかりしてよね……」

「わかったよ。ああ、それと忘れないうちに」


 部屋の内側から鍵を掛けると、財布から金貨を3枚取り出してフィーネに握らせた。


「……これは何?」

「お前を買うと言っただろう」

「金貨と銀貨の見分けがつかなくなったの?」

「そんなわけないだろ……。先払いだ」


 それは彼女を繋ぎとめるための対価だった。

 金額が大きいことは当然理解しているが、先払いしておけば持ち逃げになるような真似はしないだろう。


 そういう打算含みで多めに渡したのだが――――


「返す」

「おい……」


 そこから小一時間。

 払う側が金額を釣り上げ、もらう側が金額を値切るという世にも奇妙な交渉が行われた。


 長々と話し合って、最終的に決まったのは3つ。


 俺以外の客を取らないこと。

 金額は月ごとに一定額を支払うこと。

 俺の足が遠のいたらフィーネが一方的に関係を解消できること。


 ここまで取り決めて、彼女はようやく今月分の対価を受け取った。


「はあ……、不満があるときは行動する前に相談しろよ?絶対だぞ?」

「はいはい、わかったわよ」


 受け取った大銀貨を鞄にしまい、荷物の整理を続けるフィーネにきつく念を押す。

 いくらで買うなんて話をしていたから彼女の後姿を見ているだけで揺れ動く腰に視線が吸い寄せられ、邪念が湧き出てきた。


 彼女にそれを見られたわけでもないのに、俺は誤魔化すようにベッドに倒れ込む。


(うん……?)


 想像したよりも硬い感触に思わず後頭部を抑える。

 客室のベッドで寝たことはなかったが、やはり俺の寝室のそれと比較すると質が落ちるようだ。

 もちろん最高級品ではないというだけで、それなりの旅館で使われる物と同程度の品質はあるはずだが。


「そんなに心配?」

「当り前だろ。ちょっと目を離した隙に娼婦に転職した奴が、何言ってんだ……」

 

 ベッドの質を確かめながら投げやりに言い放った。

 言葉は辛辣だが、この方面に限って言えば信用ゼロのフィーネである。

 少しきつめに言うくらいで丁度いいと思ったのだ。


「えい」

「ぐっ!?」


 仕返しのつもりか、フィーネは俺の上に飛び乗った。

 別に重くもないフィーネだが、不意に鳩尾に体重を掛けられたため若干のダメージが入る。

 彼女はそんなことを気にもせず、仰向けに転がった俺の上に跨ってご満悦だ。


「ねえ、覚えてる?」

「……何の話だ?」


 フィーネが腰を浮かせたので、俺はゆっくりと上体を起こしてベッドボードに背を預ける。

 しかし、彼女はベッドから降りることなく、そのままゆっくりと立ち上がって俺を見下ろした。


「これ」


 彼女は俺の目の前に立ち、スカートの裾を摘まむとゆっくり持ち上げた。

 ギルドの制服である深い緑色の布地が少しずつ持ち上げられ、フィーネの健康的な脚が晒されていく。

 

(ああ、思い出した……)

 

 あれはたしか、ギルドの休憩室だった。

 どういう経緯でそうなったのかはすぐに思い出せないが、下着が見える寸前で邪魔が入ったことだけは憶えている。


「…………」

「…………」


 ここは俺の屋敷で、部屋は内側から施錠済み。

 ローザとアンは孤児院で働いている時間で、フロルがこの場に乱入するはずもない。


 今日のフィーネは、黒だった。



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