第13話 読み手の胸倉を掴みに行け

 ども、ぱのすけです。

 今回は「読み手の胸倉を掴みに行け」で、お話ししたいと思います。


 別にこれね、「ごるぅあぁ!!」と喧嘩しに行けということではないです。はい。

 読み手様とのファーストコンタクトとなる「第1話」で何を示すか。そういうお話しでございます。


 結論から言えば、「どんな主人公が何をする話」か示す。これであります。

 

 ホラーですと「こんな主人公がこうしていくと見せかけて……」というミスリードの手法があるので素直に開示してはいけない場合もありますが、基本は「どんな主人公が何をする話」かを描く。

 上手く伝われば、読み進めてもらえる大事な部分でございます。


 これから書くことにつきまして、私のスタンスは常に「好きに書けばいい」である、ということをまずお伝えしておきます。

 

 こんなのダメ! あれはダメ! と、言いたいのではなくて第1話で切られることが多い。先に進んで欲しいなぁ、という時にふと思い出してくれればいい。「ご参考までに」というヤツです。


 何よりも書き手が楽しく書いている。これに勝ることはありません。

 私はどのホラーも楽しくルンルンで書いておりますので……っていうとヤバい奴のようですが。いや、ヤバい奴だった!!


 脇道に逸れて大爆走しましたが……。

 

 時々聞く言葉に「ここまで読んでくれれば面白くなる」という言葉があります。

 

 好きに書きたいなら何ら問題はありません。ゆくっりじっくりと書くのも楽しさの1つです。じっくりと進んで行く重厚な話を好む方もいます。

 私もどちらかと言えばじっくり書くのが好きです。

 

 ただ「PVを増やしたい」、「プロを目指している」というなら話は違って来ます。そこは読者に甘えてはなりませぬ。


「ここまで読んでくれれば面白くなるのに」というのは、そこまではいらない子だったりするわけです。ぶっちゃけなくていい部分が連なっている。

 

 作者というのは「親」なわけで、我が子たる「自作」をどうしてもいっぱい知って欲しい。もうそれは本能です。

 

 だからどうしても「この子はね、こんな、あんな、そんな素晴らしいものを持っている子なんだよ!!」と語りたくなる。


 だけど、読者がまず知りたいことは「どんな舞台か」ではなく「どんな話なのか」です。そこに書き手と読み手の齟齬が生まれます。特にファンタジーで多いことだと思います。


 第1話が設定の羅列から始まって、それだけで終わってしまう。それだと中々、第2話には進んでもらえないです。

「あ、なんかつまんない」で読者は去ってしまいます。

 

 舞台を見に行って、幕が上がったのに、「この舞台の背景はこんなコンセプトを持って……」と大道具の解説をされたら「??」となりませんか。

 

 設定の羅列はそれと同じです。

 読んでみよ!、と来た読者の出鼻を挫いてしまいます。


 でもねぇ……語りたくなるその気持ちすっっごくよく分かります。

 だって一生懸命考えてるし、世界を共有して欲しいし、世界を知った上で楽しんで欲しいし! 

 分かる、分かるよぉ~。私だって「フォーン帝国」の世界観なら1日中でも喋っている自信があります。


 それでも「読んで欲しい」ならば第1話目ではグッと我慢の子です。

 まずは「どんな主人公が何をする話か」。これを読者に示す必要があります。


 追放された主人公が得意分野を磨いて巻き返す話なのか、異世界転生した主人公が現世知識で無双する話なのか、過酷な運命に生まれた主人公が成り上がって行く話なのか。


 読みに来てくれた読者が知りたいと思っているものを提供する。それが「第1話」の役割でございます。

 読者の胸倉を掴めるか、はそこにかかっております。


 以上「読み手の胸倉を掴みに行け」でお話しさせていただきました。

 しつこいようですが、基本的には好きに書けばいいのです。

 ただ、読み手を増やしたいのならば少し気を付けて「第1話」を書けば変わって来るかもしれない。そんなお話しでした。


 次回は「好きに殉じる」でお話ししたいと思います。

 ここまで読んでくださりありがとうございました。

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