第17話:マイクロビキニよりメイド服。

夏の一歩手前、一吾は苺と香乃かおりのを連れてキャンプ場にバーベキューに行って

みようかなって思った。


目的の場所は公園があってキャンプ場があって、ヨットハーバーがあって

グランブルーってレストランが隣接する唯一の海水浴場。


苺が水着を持ってないって言うので、ふたりでスポーツオーソリティに

水着を買いにでかけた。


店内の水着コーナーに水着を着たマネキンやかわいい水着が並べて

あって品数がたくさんありすぎたから苺はどれを選べばいいのか迷った。


するとシビレを切らした一吾が、適当な水着を選んでくれた。

大柄のハイビスカスがプリントしてあるヒモビキニ。


「え〜これ?・・・小さくない?」


「今しか着れないよ」


一吾にそう言われて苺はたしかにって思った。


「だけど・・・僕はいくら露出が多くても、水着には興味なんだ」

「やっぱりメイド服じゃないと萌えない」


「私、キャンプにまでメイド衣装着ていくの?」

「そりゃね・・・キャップに行くのに私服なんてつまんないだろ?」


「メイドさんとキャンプ・・・いいんじゃないか?」


「他のキャンパーの人たちが見たら変って思うわよ」


「思わせときゃいいんだよ、そいつらのために生きてるわけじゃないんだからさ」

「キャンプとメイドさん、この組み合わせイケるんじゃないか?」


「なに急にテンションあげてるの?」


「あのさ、イッちゃんってセーラー服とか・・・アニメのキャラとか、そう言う

コスプレは興味ないの?」


「ない・・・僕はメイドさんが好きなんだから、他はどうでもいいの」

「だから苺にメイドさんになってもらってエッチするが至福の時間なんだ」

「普通にさ、エッチなんかしたって萌えないからね」


「マニアックだね・・・それもオタクって言うの?、メイドオタク?」


「メイドフェチだよ」


「イッっちゃんは自分では仮装とかしないんだね、ハロウィンとかに・・・」


「ん〜まあ興味ないな〜・・・変身願望ないし・・・」

「子供の頃は将来、仮面ライダーになるんだって思ってたけどね」


「決まりだな・・・キャンプにメイド、想像しただけで興奮するわ、楽しみ〜」

「そうだ、ついでに手錠にアイマスクも買おう」


「なになに・・・手錠にアイマスク?って・・・ちょっと方向性変わってきて

ない?」

「それとキャンプとどう関係するの?」


「マンネリ防止・・・レスにでもなったら大変だろ」


「キャンプじゃなくてエッチのこと言ってる?」


「うん」


「レスってまだ、そんな要素ないでしょ・・・レスになんかならないよ・・・」


「あとさ・・・」


「もういいって・・・次から次へとなに?なにが出てくるの?」

「やめてよ・・・アダルトグッズ買うとか言わないでよ」


「アダルトグッズ?・・・それもいいな」


「そんなこと言い出したらキリがないでしょ・・・やめてよエスカレートするの」


「まあ、いっぺんにじゃ〜な・・・少しづつ試していくか?」


「試さない・・・私は普通がいいの」

「一吾ってそんな変態趣味があったの?」


「変態って言うな・・・誰だってそのくらいの願望あるだろ?」

「みんなやりたくても我慢してるんだよ」


ってことで水着を買うって趣旨から、かなりはずれたため苺は一吾が選んだ

ビキニをとくに気にせず買ってしまった。

って言うか、とうぜん水着は一吾が苺にプレゼントしてあげたんだけど・・・。


で、マンションに帰ってきて苺は買ったばかりの水着を着て一吾の前で

デモンストレーションした。


「苺・・・ヤバいわ、その水着」

「あまり確かめずに選んじゃったけど、それマイクロビキニだ」


「私も着てる時、ヤバそうって思った」


「布切れだな・・・」

「露出度半端ないな・・・この水着、人前じゃちょっと無理だな・・・」


「あはは・・・下のお毛々、処理しとかないとだね・・・」


「俺、剃ってやるよ」


「いいです、自分で処理するから・・・」


「さすがにこれはキャンプ場では着させられないわ」


な訳で、これじゃ話にならんと一吾は苺をつれてまた水着を買いにでかけた。


結局、水着を選んだりして、もたもたしてたもんだからキャンプ場に行く

時間がなくなったのは言うまでもないこと。

なもんでキャンプ場でのバーベキューはボツにして香乃を呼んで一吾の

マンションで急遽、焼肉パーティーになった。


まあキャンプ、キャンプって騒ぐのは案外男だけで、女性陣はアウトドアより

日焼けなんかしない部屋の中で美味い肉が、たらふく食えたらそれでいいのだ。


つづく。

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