第22話 メスガキの街を作ってみた!
メスガキ原住民の集落をあとにした俺たちは、そこからシャブリカ大陸をひたすら東へと進んで、ついに大陸東部の沿岸地域へとたどり着いた。
その間、いつものように性欲を抑えきれなくなったヤライソはトヨーコのお世話になっていた。しかも、すでにメスガキ草を使い果たしてしまったため、素のババアでしかないトヨーコに……。もうこのジジイ、何でもいいんじゃねーか!
一方でシコルは、ババアなんかとはできないと頑なに拒んだ。でもこいつは、大変洋を航海中にメスガキ草を使ったトヨーコにはお世話になっていたわけで、結局見た目がメスガキなら中身がババアでもいいようだ。
それはともかく、広大な原野の中で何やらぽつんと建つボロ屋を見つけたので、とりあえずそこへ行ってみることにした。
窓からこっそりと窺ってみるが、建物の内部は大量の白い物で覆われていて様子がわからない。その白い物をよく見ると、それはくしゃくしゃに丸められたティッシュで、アレを処理したゴミと思われる。
これはあかんやつだ。そのままにしておこうと思ったのだが、ヤライソが何の躊躇いもなくドアを開けてしまう。するとドアから大量の使用済みティッシュがあふれ出し、それと同時に強烈な悪臭が鼻をついた。
そして部屋の中、崩れたティッシュの山の先に一匹の熊が!? と思ったら、それは何と全身毛むくじゃらのでっぷりと太ったおじさんだった。こいつはまたSSR級の氷河期おじさんだ。
「こんなところに人が来るなんて珍しい! 見たところお前らは氷河期のようだが。それならちょうどいい、ちょっと俺の話を聞いてくれないか?」
そう言って、毛むくじゃらのおっさんが俺のもとまでその巨体を揺らしながらのそのそとやって来た。とりあえずパンツを穿けパンツを。
おっさんの名はロリンカンといい、俺たちと同じように日本からやって来た氷河期だそうだ。いやまぁ、それは言われなくても見ればわかるっての。
そしてこの世界においては、オゲレツという国から遙々海を渡ってこのシャブリカ大陸へやって来たのだという。
その目的はただ一つ。この未開の地にメスガキの、メスガキによる、メスガキのための街を作りたいのだそうだ。
だが、そんな理想を掲げてから数十年。この地にはメスガキはおろか人っ子一人いない有様で、やむなくこうして引きこもっていたのだという。
スローガンには大いに共感するが、そのための努力を一切してこないで引きこもっていたあたりは、さすが生粋の氷河期おじさんといったところだな。
「そこでだ! お前らを氷河期の同志と見込んで、俺の理想の街づくりに協力してくれないか?」
そう熱く語るロリンカンが俺の手を握り懇願してきた。その手からは、何やら手汗とは違うぬちゃっとした感触が伝わってきてひどく気持ち悪い。
「素晴らしい! コドージ殿、ぜひ彼の崇高な理想を実現するため我らもひと肌脱ごうではありませんか!」
ひと肌どころか、本当にまっぱになりそうな勢いのシコルが目を輝かせて協力したいと言い出した。そりゃまぁ俺としても、協力するのはやぶさかではないのだけども。
「そうなると、まずはメスガキの年齢制限をしっかり設けなければなりませんね。原則としてはJSまでをぶつぶつ……」
おいおい、それはいくら何でもシビアすぎるだろう。どこまでもストイックだなこいつ。
「ひゃっひゃっひゃ! ワシャ、若けりゃ何でも……」
全部は言わせねーよと、俺はヤライソの言葉を遮った。お前はもう少しこだわりを持て。まぁ世間一般的に考えて、やはりメスガキはJKまでとするのが妥当だろう。
「はんっ、メスガキの街なんてばかばかしい! あたしはそんなことに協力するなんて絶対に嫌よ!」
トヨーコが嫌悪感を露わに吐き捨てた。まぁこいつとしては当然の反応ではあるし、メスガキの街なのでババアのお前にはそもそも無縁だからな。
「おぉ、お前たち協力してくれるのか! ならば早速ここにメスガキどもを集めてきてくれ!」
そう言って、ロリンカンが再び俺の手を握ってきた。いやだから、気持ち悪いからそのぬちゃっとした手で触るなっての! ていうか、結局人任せでお前は何もしないのかよ。
こうして、成り行きでメスガキの街づくりに協力することになった俺たちは、これまでわからせてきたメスガキどもに声をかけて回ることにした。
※ ※ ※
世界各地でメスガキどもに声をかけ、しばらくしてからロリンカンのところへ戻ってみると、ぽつんとボロ屋しか建っていなかった広大な原野に街が出来上がっていた。
「あはは♡ おじさん、ここ中々にいい街じゃん♡ あたしのパンツ、飛ぶように売れるんだよね~♡」
そう言って声をかけてきたのは、ヤダーハンにいたパンツ売りのメスガキだった。聞けば、ここでも氷河期おじさんをだまくらかしてはパンツを売りさばいているのだという。とりあえず、俺は《わからせ棒》を使ってパンツ売りのメスガキをわからせておいた。
「ねぇねぇ、おじさんの財布ペラペラじゃん♡ これじゃあ声かけ事案の口止め料には全然足りないんだけど~♡ どうする、腎臓一個売っとく?♡」
次に、道端で氷河期と見られるおじさんを土下座させているメスガキを見かけた。どこか見覚えがあると思ったら、マダニートでおじさんを煽り散らかしていたメスガキ村のメスガキじゃないか。ここでも氷河期おじさん相手に難癖つけてやがるのか。ほどほどにしとけよと、俺は《わからせ棒》を使ってメスガキをわからせた。
「あれ?♡ あの時の氷河期のおじさんだ♡ ねぇねぇ、あれからあたし、どのおもちゃ使っても全然満足できない体になっちゃったんだよ~♡ それっておじさんのせいだからね♡ だから責任取って♡」
そう言って、淫靡なメスの顔つきで近寄ってきたのは、バーキアの街でアダルティなグッズを扱うお店の娘アニータだった。聞けば、父親がここにも支店を出してそこの経営を任されているのだという。責任を取れというので、とりあえず俺は《わからせ棒》を使って責任を取った。
「あ、パパだ♡ パパ久しぶり~♡ 会いたかったよ♡ ねぇねぇ、あたしたちのこと、またわからせて~♡」
そんな声とともに、いきなり飛びついてきたのはあの山賊団のメスガキ姉妹だった。どうしてここに? と思ったら、留学名目で姉妹揃ってこの街へとやって来たのだという。母親はどうしたのかと聞くと、ババアだからこの街には住めないので国に残っているそうだ。まぁそれはババアだし仕方ないな。元気そうにしていて何よりだということで、俺は《わからせ棒》を使って久しぶりにメスガキ姉妹丼を心ゆくまで堪能した。
このように、かつては人一人いなかった原野がメスガキどもで溢れて、氷河期おじさんにとってはまさに理想を具現化したような街になっていた。ちなみに、街の名前はメスシティというらしい。
「おぉ、氷河期の同志よ! 久しぶりだな! 見てくれ、この街の賑わいを! ついに俺の理想だったメスガキの街ができたんだ! 夢を諦めずにこれまで頑張ってきた甲斐があったってもんだ!」
駆け寄ってきたロリンカンが俺の手を握ってきた。相変わらずぬちゃっとした手がじつに気持ち悪い。
ていうかお前、俺頑張ったみたいにドヤッてるけど、ずっとここにいただけで何もしてないよね? それなのに、この男がメスシティの市長をやっているのが何だか腑に落ちない。
何はともあれ、氷河期おじさんにとって理想的な街ができたことは喜ばしいことではある。街作りに貢献した俺たちは、ロリンカンから《メスシティの名誉市民権》を与えられた。あとでこれをファイアおじさんの名義に変更してやれば、あいつも満足することだろう。
こうして俺たちは、氷河期おじさんにとっての理想の街メスシティをあとにしたのだった。
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