第21話 メスガキ原住民をわからせて親父の手がかりを見つけた!

 ダリーワの神殿でトヨーコが拳者への転職を果たしたあと、俺たちは再び船で

大変洋へと繰り出した。


 広大な大変洋を航海すること一ヶ月あまり。ようやくシャブリカと呼ばれる大陸へとたどり着いた。


 その間、シコルとヤライソは溜まりに溜まった性欲を抑えきれずに、トヨーコにメスガキ草を使わせて何度かお世話になったようだ。


 トヨーコはトヨーコで、一回につき30000ゴールドもの金を取っていた。ババアがそんな値段ってぼったくりが過ぎるだろう……。ていうかシコルのやつ、メスガキ草を使えばトヨーコでもいいのかよ。


 それはともかく、シャブリカ大陸に上陸してから一週間。あちこち回ってみたのだが、魔物や野生生物とは遭遇するものの、人の姿がまるで見当たらない。そのため街や村といったものもなく、食料が底を尽きかけてきた。

 

 そうした中でも性欲だけは衰えないシコルとヤライソは、ここでもトヨーコにメスガキ草を使ってお世話になっていた。そんなに大量にメスガキ草を買い込んでいたっけか。それにしても、こいつら毎回数万ゴールド支払っているようだけど、よくそんなに金持ってんな。


 だがじつのところ、俺もダリーワの神殿を出てから今日まで全くメスガキをわからせていないため、そろそろ禁断症状が出始めてきている。この前などは、うっかり俺自身がメスガキ草を使いたくなってしまったほどだ。

 

 このままではマズいと思っていたところ――。


「ヒキニートージ!」


 そう叫ぶ声が聞こえたので振り返ってみると、そこになんと動物の毛皮を纏った女の子が立っていた。ロングウルフの黒髪がワイルドな雰囲気を醸し出しているが、見たところJC1~2くらいだろうか。


 何はともあれ、ここにやって来て初めて見る人間であり、しかも可愛い女の子ときている。この大陸に住む原住民か何かなのだろうか。とすると、近くにはきっと人の住む集落もあるはずだ。


「メハ、ヒョガッキー、ンナ、ヒキニートージ♡ トー、ソーザッコ、ジーオニビビア♡」


 はい? 何だって??


 女の子は聞き慣れない言葉でしきりに何かを訴えている。だが、その目つきは侮蔑に満ちあふれたメスガキ特有のそれだった。


「メハ、ヒョガッキー、ヒキニートージ♡ ヒキニートージ♡ ソーザッコ、ジーオニビビア♡ キャハハハ♡」


 こいつはメスガキだと思うと、段々何を言っているのかわかるような気がしてきた。俺たちのことを氷河期おじさん、クソざこ、ジジイにババアとでも罵っているに違いない。


 ふん、いいだろう。こちとら一ヶ月以上もの禁欲生活で溜まりに溜まっていたところだ。言葉が通じないというのなら、身体で会話をしようじゃないか!


 俺は《わからせ棒》を使った。


「ホェ? ファッソー?? ヒーモッ! フィーヤアアア! フォオオオ……」


 俺は《わからせ棒》を使った。


「イ゛イ゛イ゛……、アッ、ハッ、ファ……、アンッ、ンアッ、ハッ……ンハッ♡ アッ♡ アッ♡ フッ♡ ハッ♡」


 俺は《わからせ棒》を使った。


「オ゛ッ♡ ア゛ッ♡ ンア゛ッ♡ エエッ♡ オ゛ッ♡ ホッ♡ ア゛ンッ♡ アアッ♡ ウンスゴーエエッ♡ オンッ♡ ア゛ッ♡ フッ♡ オッホ♡ ホォアアアアア♡」


 こうして俺はメスガキ原住民をわからせて、溜まりに溜まったものを全てぶちまけてやった。


「コドージ殿! 私もボディランゲージでわからせ異文化交流したいのですが!」

「ひゃっひゃっひゃ! ワシも駅前留学するぞい!」


 いつものようにシコルとヤライソがわからせのおねだりをしてきたので好きにさせてやった。ていうか、駅前留学って何だよ。ここは駅前じゃなくて異世界だから。


 そんなこんなで、俺たちはこのメスガキ原住民に連れられて近くにある集落へとやって来た。


「ホェ? ヒキニートージ??♡」

「ヒキニートージ♡ ヒキニートージ、モッキータ♡」

「モッソー、ヒッサーネ、ヒキニートージ♡ ワッヒ、メーニ、アッタガータ♡」


 たちまち集落のメスガキどもが集まってきて話しかけられるものの、やはり何を言っているのかわからない。


 だが、さっきのメスガキもそうだったが、どうやら俺のことをヒキニートージと呼んでいるらしいことはわかった。それってつまり、引きこもりニートのおじさんということか。


 誰がやねんってことで、俺はこれらのメスガキどもを《わからせ棒》を使ってきっちりわからせてやった。


「メーハ、ヤダーハン、ラッキータ? ……あ、お前、ヤダーハン、来た?」


 わからせたメスガキの一人がそんなことを聞いてきた。JC2~3くらいで、メスガキたちの中では最年長のように見える。どうやらこいつは俺たちの言葉を少し話せるようだ。


 俺たちはヤダーハンから来た勇者様ご一行だと伝えると、そのメスガキは喜びと淫靡をない交ぜた顔つきになった。


「ちょっと前……、ヤリテガいうざこ……、ここ来た♡ お前ヤリテガ……、似てる♡ ヤリテガ、ヒキニート―ジ♡ ヒキニートージ♡」


 な、何だって!? ヤリテガ……だと? それってつまり、俺の親父ヤリテガのことで、ちょっと前に親父がここへ来たということなのか??


「ヤリテガ、ヒキニート―ジ♡ わからせ♡ みんなアヘアへ♡ わからせ♡」


 どうやら親父のやつ、ここでメスガキどもをわからせたようだ。ていうか、親父ってもう70過ぎだよな。その年でよーやるわ。


「……でも、ヤリテガより、お前……全然いい♡ わからせ♡ 最高♡」


 親父のわからせより俺のわからせの方が良かったってことか。そりゃまぁ、俺には《わからせ棒》があるからな。


「ヤリテガ……、もらった、これ、渡す……♡ ヒキニートージ♡ わからせ♡」


 そう言って、メスガキがヤリテガからもらったという物を手渡してきた。よく見ると、それは人差し指くらいの大きさのいわゆるだった。


「それ、ヒキニートージ、同じ、小さい♡ ざこ、ヒキニートージ♡ きゃはは♡」


 メスガキがこけしを指さしながら侮蔑に満ちた笑みを浮かべた。どうやら、親父のサイズはこれと同じだったと言っているようだ。親父……。


 思いかけず親父に関する情報とアイテム《ヤリテガのこけし》を手に入れたわけだが、でも何だろう、全然嬉しくないんだが。これをもらったところで、一体何に使えばいいんだよ……。


 それよりも、できればメスガキの何かが欲しいとお願いしたところ、しばらく考え込んだメスガキは筒のような物を取り出した。


「これ、あたし……、大事なモノ、アレ……♡ おじさん、やる♡」


 それは《メスガキのまんげきょう》で、回しながら中を覗いてみると、メスガキの大事なアレやコレが見えるじゃないか!


 ほう、何ともアナログな一品だがこれはこれで中々に趣があるし、ファイアおじさんへの土産にはぴったりだろう。


 こうして俺たちはメスガキ原住民の集落を後にしたのだった。

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